近年、コスト削減や業務効率化を目的に、チャットボットを導入する企業が増えています。自社にとって最適なチャットボットを選定するには、どのような点を意識して比較すれば良いのでしょうか?
本コラムでは14のチャットボットツールについて、機能・特徴・価格を徹底比較します。
※本コラムで紹介しているチャットボットツールの情報は2022年7月現在にサービスページ等に掲載されている情報に基づきます。最新の情報は各チャットボットツールのサービスページをご確認ください。
チャットボットは、質問に対してロボット(bot)が自動的に回答・対話をおこなうツールです。チャットボットの導入は、問い合わせをする側、応対する側両方にメリットがあります。例えば、チャットボットを企業のホームページに設置した場合、顧客は、企業の営業時間に関わらず、24時間365日いつでも疑問を自己解決できるようになります。また企業側は、カスタマーサポート担当者が担っていた問い合わせ対応業務の一部をチャットボットで自動化できるため、人件費の削減といった効果を期待できます。
チャットボットには「ルールベース・シナリオ型」と「AI(人工知能)型」の2種類があります。ルールベース・シナリオ型は事前に質疑応答のシナリオを登録し、顧客が選択した質問に対してのみ回答をおこないます。
対して、AI型のチャットボットは、顧客が入力した自由文に対しても回答することができ、ルールベース・シナリオ型に比べ自然で複雑な対話が可能です。回答を繰り返すうちにAIが最適な対応を学び、回答の精度が向上していきます。導入時にあらかじめ教師データと呼ばれる回答例を学習させておく必要があることや、自然な対話を実現できるまでに学習期間が必要なため、導入・運用コストがかかる点に留意しましょう。
定型的な質問への対応をチャットボットが担うことで、有人サポートの工数削減が期待できます。
また、チャットボットだけでは回答できない複雑な質問に対しても、一次受けとして機能することができます。チャットボットとの応対で顧客が抱える問題の方向性を絞ることで、その後の対応を引き継ぐ担当者のヒアリング工数の削減や、専門的な知識を持つ担当者の選定をスムーズにすることにつながります。
特に同じような質問が多いサービスであるほど、チャットボットの導入効果は大きく、人員の確保や教育が難しいカスタマーサポートの工数を適切化できる可能性があります。
※チャットボットの仕組み、導入のメリット・デメリットなどについての詳しい解説は、下記のコラムをご覧ください。
>>チャットボット(Chatbot)とは?仕組みやメリット・デメリットを解説
今回は主要な14のチャットボットツールの機能・特長・価格を比較・解説していきます。
その1:Flipdesk
その2:GENIEE CHAT
その3:sinclo
その4:anybot
その5:hitobo
その6:Chat Dealer
その1:ChatPlus
その2:AI Messanger Chatbot
その3:KARAKURI chatbot
その4:sAI Chat
その5:Chai
その6:hachidori
その7:AI-FAQボット
その8:PEP
前項で比較・解説した製品のほかにも、今日では非常に多くのチャットボットが存在しています。それらのなかから、自社にとって最適なチャットボットツールを見つけ出すための選び方のポイントを解説します。
チャットボットの導入前に、チャットボットを活用する場面や、導入の目的を明確にしておくことが必要です。
チャットボットを導入する利用場面や目的は、以下のようなものが考えられます。
チャットボットは、サービスによって機能が異なります。代表的な機能は、顧客管理システムをはじめとする他のシステムと連携する「外部連携機能」、複数の言語に対応する「多言語機能」、顧客の曖昧な入力に対し候補を提示する「入力補完機能」などです。
導入目的によっては使用しない機能もあるため、豊富な機能を持つツールが必ずしも最適な選択とは限りません。チャットボットを導入する目的から逆算して、必要な機能と不要な機能を洗い出しておきましょう。
無料・トライアル期間を提示しているサービスは、本格的な導入前に効果検証ができるため、おすすめです。
無料・トライアル期間の条件は、サービスごとに異なります。チャットボットの検証にはある程度の時間が必要なため、十分な期間が設けられているものが望ましいでしょう。また、無料・トライアル期間中も製品版と同じ機能が使えると、より現実的な検証をおこなえます。
無料・トライアル期間は、実際に自社のWeb環境にチャットボットを組み込んで試運用をします。その際、設定の難易度や、ベンダーのサポート体制も確認しておくと安心です。何かあったときに相談・解決してくれる体制が整っているか、ベンダー側に導入効果の測定ができるだけのデータが収集されているかも検証の重要なポイントです。
チャットボットを導入し効果を得られるまでには、適切な設計と運用が必須です。ルールベース・シナリオ型の場合、過去の応対記録や顧客対応マニュアルなどから適切なシナリオを設計します。AI型も、導入時に適切な教師データを学習させたうえで、継続して学習をする必要があります。
シナリオや教師データの質は、回答の質に直結します。何を聞いても適切な回答を得られないチャットボットでは顧客の課題を解決することができず、有人対応に切り替えざるをえません。チャットボットと有人対応のたらい回しは、顧客にとって良い体験ではないので、企業のロイヤリティを下げる可能性があります。
チャットボット運用は成果がでるまでに時間がかかることが多くあります。導入を検討する際は、専門家のサポートを受けたうえで、それなりの準備期間と費用がかかることを見込んでおく必要があるでしょう。
チャットボットは顧客との応対を代行してくれる優れたシステムですが、導入までにさまざまなコストを要します。効果を発揮するまでには時間がかかるため、「すぐにカスタマーサポートの運用コストを削減したい」という要望には不向きです。
問い合わせ対応の工数削減が目的であれば、チャットボットのほかにも、短期間で導入できるシステムがいくつかあります。そのうちのひとつが、FAQシステムです。
FAQシステムは顧客から寄せられた質問と回答をWebサイト上に蓄積し、顧客が疑問を解決しやすいように整理・管理するためのシステムです。質問と回答のセットを羅列するだけでなく、カテゴリ分けや、検索頻度が高い項目の表示順位変更といった機能を搭載しており、顧客が疑問を自己解決できるようサポートします。
FAQシステムはチャットボットに比べ導入が簡単であり、比較的早期に運用を開始できます。直感的なUI(ユーザー・インターフェイス)により、専門家の力を借りずに導入が可能である点も魅力です。
Nota株式会社では検索ヒット率改善に特化したFAQツールHelpfeelを開発・提供し、すでに多くの企業様に導入いただいております。ラクスル様の事例ではHelpfeel導入により、わずか1週間でFAQ検索ヒット率が50%改善しました。TVCMの放映により問い合わせが増加した際も、カスタマーサポートの品質を下げることなく対応できたという実績があります。
有人による問い合わせ対応件数の削減、問い合わせ対応業務全般の効率化/負担軽減といった課題をお持ちなら、無料デモをご用意することもできますのでぜひお気軽にお問い合せください。