EC売上倍増を掲げるアルペン。
「チャットボット」から「AI検索型FAQ」へ方向転換し、問い合わせ抑制を目指す
── はじめに、EC事業部 プランニンググループの業務内容を教えてください。
米谷様 プランニンググループは、アルペンのEC事業におけるオペレーション、物流調整、カスタマーサポートなど、主にビジネスの下流工程を担当しています。
当社のECを利用するお客様は30〜40代のファミリー層が中心で、ゴルフ用品に関しては50代のお客様も多くいます。お客様からの問い合わせはフォームと電話で受け付けており、チャネルごとの割合はフォームが75%、電話が25%です。

オンラインとオフラインを融合するOMOを推進し、顧客体験の向上を図るアルペン。
その象徴となる旗艦店「Alpen TOKYO」
── 現在、EC事業において注力されている取り組みを教えてください。
米谷様 EC事業は大きく分けて「自社サイト」と「大手モール」の2つあります。当社は3か年の「中期経営計画」で、自社ECの売上を計画発表時の2倍以上に拡大する目標を掲げております。
── 自社ECの利用が拡大する中で、どのような課題がありましたか?
米谷様 アルペングループメンバーズの会員数は、ここ数年およそ15%ペースで増加しており、現在は1,500万人に迫っています。先日ECサイトを全面リニューアルし、さらなる利用拡大を見込んでいますが、受注の伸びに比例して問い合わせ件数も増え続けている点が課題でした。
ここでモールと異なるのが、問い合わせ対応の負荷です。モールを利用した場合、「決済に関することはモールへ」と一部の対応をモール側で受け持ってもらうことができますが、自社ECは全て自社で完結しなければなりません。支払い方法や送料など基本的な質問も含め、問い合わせが集中してしまい、対応が逼迫する状況でした。
── 課題を解決するために、どのような検討をしましたか。また、最終的にHelpfeelを導入した理由もお聞かせください。
米谷様 今後も受注が増えることを想定すると、単に対応人員で増やすのではなく、自己解決を促す仕組みが必要だと考えました。特に、「支払い方法」や「送料」など基本的な質問は自己解決していただき、有人サポートは本当に人の対応が必要な内容に集中させることが重要です。
また、継続的にアルペンのECサイトをご利用いただくためには、お客様にストレスのない購買体験を提供することも欠かせません。疑問を瞬時に解決できる仕組みを整えることで、より快適なショッピング体験を実現できると考えました。
奥村様 当時、ECサイト内には自己解決を促す仕組みとして、テキストのFAQは置いてありましたが、サイト内の語句検索(ブラウザ検索)程度の機能しかありませんでした。FAQに載せている内容の問い合わせも多く、FAQが見られていないことは肌で感じていました。加えて、記事の追加や修正はベンダーに依頼する必要があり、タイムリーに変更できないことも悩みの種でした。
そこで、当初はチャットボットの導入を検討しましたが、決め手に欠けるまま1年ほど経つ間に、AIがFAQシステムにも搭載され始めていたのです。こうした変化を目の当たりにし、「チャットボット」から「AI-FAQ」の導入へと方向転換することになりました。
複数のAI-FAQを比較検討した結果、Helpfeelは検索精度が非常に高く、お客様を適切な回答へ導ける点が決め手になりました。コストは相応にかかりますが、上層部も投資対効果に納得し、最終的に「確実に成果が見込める」とHelpfeelを選択しました。
自己解決を前提に、問い合わせ導線を“戦略的に断捨離”

── Helpfeel導入後、どのようなKPIを設定し、何を意識して運用していますか。
米谷様 KPIは、問い合わせ率(受注数に対する問い合わせ件数の割合)です。この数字を減らすことを目指して、お客様の声をすぐにFAQへ反映することを重視しています。Helpfeelのデータを参考にするとともに、社内のメール対応チームからも要望や提案を出してもらい、FAQ記事を作成しています。
記事を充実させる作業と並行して、問い合わせフォームへの導線を意図的に減らしました。以前はそれぞれの商品ページに「問い合わせはこちら」というリンクを付けていたのですが、これらを思い切って削除し、積極的にHelpfeelへの導線に入れ替えて行きました。使い勝手がよくなったFAQの活用率を上げることで自己解決を促進し、問い合わせを減らすことを目指した施策です。
奥村様 また、ホームページの全面リニューアルのタイミングで、FAQ記事のリンクをサイト内で積極的に活用することにしました。その一例として、商品ページやカート画面にも関連記事へのリンクを貼り、お買い物のプロセスごとに生じやすい不明点を、その場で解決できるようにしています。
お買い物をするトップ画面に配送日や送料などの内容をまとめて載せると、ボリュームが多すぎて目を通さなくなりますし、説明が多いと買い物への意欲をそいでしまう可能性があります。FAQ記事のリンクを活用することで、サイトデザインの観点でも見やすくなり、かつ、必要なお客様には適宜情報を見ていただけるようになったと思います。

カートボタン下の注釈「こちら」をクリックするとFAQ記事が表示される
── 特に役立っている機能はありますか?
米谷様 FAQのトップ画面に、問い合わせが多い内容を固定表示できるのがいいですね。支払方法や送料、キャンセルといった記事を「ご利用ガイド」というカテゴリを設けて掲載しています。頻出する質問がファーストビューに整理されているので、特に初めてのお客様でもスムーズに買い物を進められると思います。
── Helpfeelのカスタマーサクセスへの感想もお聞かせください。
米谷様 毎月の定例会であらゆる相談ができるのは心強いです。Helpfeelの分析画面を確認しながら、データの解釈方法も丁寧にアドバイスがもらえるので、社内関係者への説明にも役立っています。
奥村様 日々の業務で感じる感覚と、実際のデータが示す内容とのギャップを認識できるようになりました。Helpfeelを導入してからは、データを根拠にFAQ運用を進められている実感があります。
自己解決率が向上し、問い合わせ61%減!
サポートコストも10%削減
── Helpfeelを導入してからの具体的な効果を教えてください。
米谷様 問い合わせフォーム経由の問い合わせ件数が61%削減になりました。特に「送料」や「ECサイトの使い方」など、自己解決が可能な問い合わせは78%と大幅に減っています(※)。その急激な変化に社内では一時「測定ミスではないか」と疑ったほどです。その結果、KPIとしている問い合わせ率は2%減少しました。
※ 前述の問い合わせ導線削減による効果も含む。Helpfeel導入前6か月と導入後6か月の平均件数を比較
軽微な問い合わせの減少により、対応現場にも余裕が生まれました。問い合わせ削減に伴う業務効率化や運用コストの見直しなどにより、全体で約10%のコスト削減を実現しました。
さらに、サイトリニューアル時にFAQへの導線を増やしたかいあって、FAQ記事の閲覧数も増えており、着実に活用されていると感じます。
── その他の観点で、実感している効果はありますか。
米谷様 最近、新たにFAQを運用するメンバーが増えたのですが、編集画面がシンプルで使いやすいため、すぐにキャッチアップしてくれました。操作が複雑なシステムだったら、ここまでスムーズには進まなかったと思います。
迷わず安心して購入できる瞬間が、アルペンを選び続けてもらえる理由になる

── 今後の展望をお聞かせください。
奥村様 Helpfeelのデータを活用して今の顧客ニーズを把握し、FAQをさらに磨きあげていきたいと考えています。お客様が疑問をその場で解決しながら安心してスムーズに買い物できる体験を積み重ねていくことが、当社のEC事業の成長にもつながると期待しています。
一方で、効率化の余地が残る業務もあります。たとえば、返品については現在ほとんどが個別対応となっており、業務負荷が大きいのが現状です。今後はFAQで返品の基本的な流れをお客様に理解いただくとともに、ツール導入や仕組みの改善を進め、よりスムーズに対応できる体制を整えていきます。標準的な手続きは自動化し、個別対応が必要なケースには丁寧に向き合うことで、お客様満足度のさらなる向上を目指します。
米谷様 問い合わせ削減や業務効率化に加え、今後は販売企画を担当するチームとも連携し、売上アップに向けた施策も進めたいと考えています。FAQと適切な購入導線を連動させ、「お買い物がしやすくなった」という体験をより多くのお客様に届けていきたいです。
.jpg?width=684&height=389&name=alpen_ui-pcsp%20(1).jpg)
── 最後に、貴社と同様の課題を抱える企業へのメッセージをお願いいたします。
奥村様 ストレスのないオンライン購買体験を提供したい企業や、伴走サポートを受けながらFAQを着実に運用したいと考える企業には、Helpfeelをおすすめします。表現のゆらぎにも対応できる高精度な検索機能により、多くのお客様が必要な情報へ素早くたどり着けるようになり、安心してECでお買い物ができるようになります。
お客様が安心してお買い物できる仕組みを整えることは、単なる問い合わせ削減のためだけではありません。アルペンブランドへの信頼を醸成し、お客様との長期的な関係性を築いていくうえで欠かせません。その先に、アルペンのファンとなっていただける未来があると信じています。Helpfeelは顧客体験を一歩先へ進めるための大切な基盤です。
* 本記事の内容、数値、所属・役職は、取材当時の情報です。
