有人対応を9割削減。
現場主導で推進したキリンビールの社内ナレッジDX

キリンビール株式会社

キリンビールの商品写真

ビールをはじめとする酒類の製造・営業・販売を手がけるキリンビール株式会社。働き方の多様化や人事制度の高度化に伴い、社内問い合わせの内容は多様化し、対応負荷が増大していました。こうした状況を受け、同社は現場主導で社内ヘルプデスクの刷新を決断し、2024年6月にHelpfeelを導入しました。

検索利用 月間2万回、問い合わせ有人対応約9割削減、問い合わせ担当からデジタル活用した業務開演担当へ

「ITに不慣れな層」でも迷わず使える設計が
定着の条件

── はじめに、マーケティング本部 業務支援担当のミッションを教えてください。
 
近藤様 我々の部門は、全国の営業担当や商品開発を担うマーケティング部門の内勤業務を統合的に支援しています。従業員をサポートし、本来の業務に専念できる環境を整えることがミッションです。

多彩な商品が並ぶショールームに立つ、近藤様と相浦様(写真)

社名を冠した「キリンビール」をはじめ、ビールやワイン、飲料、サプリメントなど、幅広い製品が並ぶ

── Helpfeel導入前の課題を教えてください。
 
近藤様 以前は、全国の営業担当からの問い合わせを一括で受ける窓口として「コンシェルデスク」を設置し、有人によるメール対応を行っていました。しかし、雇用形態の多様化や制度の複雑化に伴い、問い合わせ内容は年々難易度を増していきました。
 
さらに、コロナ禍を経て在宅勤務が広がったことも大きな転機でした。拠点で顔を合わせた際に「ちょっと教えて」と周囲に気軽に尋ねる機会が減ったことで、あらゆる疑問が「コンシェルデスク」へと集中し、対応負荷は膨れ上がっていたのです。その最前線で対応にあたっていたのが相浦でした。
 
相浦様 当時は2.5人体制で、月に240〜250件ほどのメールに対応していました。内容は人事制度の確認からパソコンの不具合まで、営業活動以外のあらゆる質問です。こうした情報自体はイントラネット上に公開されていましたが、情報までたどり着けないケースが多く、結果として「聞いた方が早い」状態になっていました。
 
「いつ来るかわからない質問に即レスしなければ」という専任担当としてのプレッシャーは想像以上に大きく、当時はかなり精神的に縛られていました。そこで「人力で頑張るより、仕組みで解決したほうが全員幸せになれる」と考え、当時のリーダーに「有人対応をシステム活用で改善したい」と直談判したのが始まりです。
 
── どのような検討を行い、Helpfeelを選ばれたのでしょうか。
 
相浦様 「コンシェルデスク」のシステム化にあたっては展示会に足を運び、FAQシステムやチャットボットを含む複数サービスを比較しました。重視したのは「検索の速さ」と「使いやすさ」です。
 
現場の営業担当は一分一秒を争っています。チャットボットのように何度もラリーをして「ご質問は何ですか?」と聞かれる時間は、営業担当者のスピード感に合いません。検索窓に言葉を入れた瞬間に答えが出るHelpfeelの潔さは、まさに理想的でした。

インタビュー中の近藤様(写真)

マーケティング本部 業務支援担当 主幹 近藤 龍介様

近藤様 当社の従業員は人数も多いこともあり、ITリテラシーについては従業員間で差があると認識しています。システム操作に不慣れな従業員も一定数所属していることを前提として、検討時には、あえて「ITに不慣れな層」を強く意識しました。一部の使いこなせる人だけに支持される仕組みでは、社内には定着しないと考えたからです。特別な説明がなくても直感的に操作でき、誰もが自然に使えること。ITに強い人だけでなく、そうでない人にも受け入れられる設計であること。社内への定着まで見据えたとき、「徹底した使いやすさ」は欠かせない条件でした。
 
その点で、検索窓に入力するだけで完結するシンプルさに加え、曖昧な表現やタイピングミスがあっても回答へ導く「意図予測検索」は大きな魅力でした。このシステムであれば、誰も情報迷子にならないだろうとイメージできたのです。
 
また、年に数回しか発生しないような“超ロングテール”の質問まで網羅できる点も重視しました。一度使って「答えがない」と思われたら、二度目はありません。Helpfeelの提案を受け、従業員との一発勝負に勝てると確信し、導入を決めました。

現場の声を即時反映し、信頼と協力体制を築く

── Helpfeel導入後の運用体制や、注力したポイントを教えてください。
 
近藤様
 大企業では情報システム部門が主導するのが定石だと思いますが、今回はあえて現場を熟知している我々の部門で導入を進めました。現場の状況を理解しているメンバーが動くことで、実用性の高いヘルプデスクを最速で軌道に乗せることを目指しました。

インタビュー中の相浦様(写真)

マーケティング本部 業務支援担当 相浦 由布子様

相浦様 構築にあたっては、過去数年分の有人対応のログをもとに、過去に1度しか聞かれないような小さな質問もすべて記事化しました。「ここに来れば必ず解決できる」という成功体験を何より大事にしたかったからです。
 
また、ビジュアル面にもこだわりました。キリンで働いている感が伝わるようにバナーやアイコン、色味を調整し、単なるツールではなく、愛着の沸く「社内の情報拠点」を目指しました。実装にあたっては、HelpfeelのWebディレクターと日々密に連携し、数多くの要望に応えていただきながら、我々のこだわりを納得のいく形に仕上げていただきました。

kirin_ui-pcsp_vコンシェルデスクの画面キャプチャ

── 全社展開までどのように進められたのですか?

相浦様 全社展開に先立ち、各拠点の総務担当者数十名を対象に、1か月間のプレリリース期間を設けました。総務は営業に最も近い存在であり、Helpfeelの運用面では欠かせないパートナーです。だからこそ初期段階から巻き込み、意見を取り入れながら一緒に作り上げていく方針で進めました。
 
近藤様 当初は「問い合わせ対応のシステム化によって、自分たちの仕事が変わってしまうのではないか」という不安の声もありました。しかし、寄せられた意見は迅速にHelpfeel(総務コンシェル)に反映し、改善のプロセスを見せることで、“一方的に導入される仕組み”ではなく“自分たちが育てていく仕組み”だと感じてもらえるよう努めました。次第に協力体制が生まれ、今では総務自らが「コンシェルに載っていますよ」と周囲に紹介してくれる推進役になってくれています。
 
また、全社展開後もスピード感は引き続き意識しました。記事化されていない情報があれば、遅くとも翌日までに反映する。会議中に出た意見をその場で相浦が修正したこともありましたね。こうした運用への本気度を行動で示し続けたことが、社内の信頼につながっていったと感じています。

口コミで広がり、月間2万回検索されるヘルプデスクへ。有人対応は9割削減

キリンビールの缶ビールが並ぶ(写真)

── Helpfeel導入後の具体的な効果を教えてください。
 
相浦様 現在、Helpfeelの閲覧数は月間平均で2万アクセスを維持しています。導入前は、有人対応で月間約240件の問い合わせ対応が限界で、その分の従業員しかサポートできていませんでした。それが現在では月間2万回の検索が行われており、単純比較では約80倍規模のサポートを提供できています。
 
この成果を受け、有人対応を行っていた「コンシェルデスク」は閉鎖し、個別対応は問い合わせフォームへ一本化しました。問い合わせ件数は約9割減少し、現在は月間30件程度にまで抑えられています。
 
近藤様 社員にとっては“心の安定剤”になっているという声も聞きます。特に、報酬や休職制度といったセンシティブな内容は上司や同僚に聞きにくいものです。自ら検索して解決できる場所があることで、今まで不明点や不安をそのままにしていた従業員にも情報が届き、職場環境の向上に寄与しています。

── 社内への浸透はどのようにされたのですか?
 
相浦様 実のところ、ポータルサイトのトップページにバナー掲載しているのみで、特別な周知活動はほとんど行っていません。実際に使った従業員が「あれ、便利だよ」と口コミで広めてくれたことに加え、各地の総務担当のメンバーが問い合わせを受けた従業員へHelpfeelの利用を案内してくれた効果も大きかったです。
 
使いやすさを重視したシステム選定に加え、十分な記事を事前に整備できた点が大きかったと感じています。その結果、リリース当初から従業員が検索で成功体験を得られる環境を整えられました。さらに、プレリリース段階から総務と協力体制を築けたことも、社内浸透を後押ししました。
 
近藤様 最近では総務メンバーや関係部署から「この内容の記事を追加してほしい」といったリクエストをもらう機会も増え、Helpfeelの運用を自分事として捉えてもらえていると感じています。単にイントラのお知らせに掲載しても情報が流れていってしまいますが、Helpfeelが“情報を確実に届けられる確固たる場所”として機能しています。
 
その安心感が、総務の新しい施策への挑戦を自然と支え、組織全体の動きを少しずつ前向きに変えていると感じています。Helpfeelは、今や単なる情報ツールではなく、組織を支える基盤の一つになりつつあります。
 
── お二人の働き方に変化はありましたか?
 
相浦様 終日対応に追われていた以前と比べ、個別の問い合わせ対応はごくわずかになりました。その結果、業務内容は大きく変わっています。「いつ問い合わせが来るのだろうか」という心理的な負担から解放され、より創造的な業務に時間を使えるようになりました。おかげで、仕事へのモチベーションも高まっています。
 
近藤様 Helpfeel導入後、相浦は他のシステム導入も複数手がけるようになり、今では「システムに詳しい人材」として社内に認知されています。問い合わせに対応する立場から、仕組みで課題を解決する立場になったと言えるでしょう。現場の課題をデジタルで解決する経験を重ねる中で、組織への貢献の仕方そのものが変わってきました。

検索体験の良さが利用を加速。
2,000人の挑戦を支える、キリンの情報基盤に成長

キリンビール本社のエントランスに立つインタビューイーのお二人(写真)

── 今後の展望をお聞かせください。
 
相浦様 Helpfeelは着実に社内に浸透しています。当初は営業部門での活用を想定していましたが、現在では製造部門を除く大半の従業員、2,000人規模まで利用が広がっています。日々使われるツールだからこそ、情報の鮮度と精度を磨き続け、「まずはここを見よう」と自然に思い出してもらえる存在であり続けたいと考えています。
 
近藤様 利用範囲が広がった背景には、営業以外の部門から「自分たちの情報も掲載してほしい」という声が上がったことがあります。Helpfeelでの良い体験が社内で共有され、それが新たな掲載依頼や活用相談を呼び、情報の網羅性が高まることでさらに利用が促進される。そうした好循環が生まれています。今後も、組織変更や制度改定があっても「ここを見れば大丈夫」と誰もが確信できる、強固な情報基盤として確立させていきたいですね。
 
さらに、Helpfeelの利便性を実感した他部署のメンバーから、「他の用途で利用を検討しているので詳しく教えて」と相談を受けることもあります。ただ、その際に大切にしているのは「本当にその部署の課題解決につながるのか」という視点です。あくまで、目指す姿を明確にしたうえで、最適な形を一緒に考えるようにしています。
 
── 最後に、貴社と同様の課題を抱える企業へのメッセージをお願いいたします。
 
近藤様  Helpfeelは、導入から運用まで一貫して伴走してくれる存在です。当社の状況や季節要因まで踏まえ、改善プロセスを共に考えてくれます。システムの知識や経験が十分でなくても、「現場を良くしたい」という情熱さえあれば、変革は必ず実現できるはずです。
 
相浦様 システムの導入推進が初めての経験だった私にとって、せっかく立ち上げた有人窓口の閉鎖は大きな決断でした。しかし、だからこそ「必ず成果につなげたい」という強い覚悟を持って臨むことができました。Helpfeelには、その挑戦を支え、データに基づいた提案で迷いを取り払ってくれるサポートがあります。
 
Helpfeelは単なる問い合わせ削減のためのツールではありません。AI技術と、血の通った人のサポート。その両輪で私たちの業務を支え、組織の進化を後押ししてくれるパートナーだと感じています。

* 本記事の内容、数値、所属・役職は、取材当時の情報です。


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