AIが導く検索体験の進化。
顧客体験を変え、解約率減少と売上アップを後押し

国際航業株式会社

エネがえる利用イメージ

インフラ、建設、環境など幅広い分野でコンサルティングを行う国際航業株式会社。同社は、太陽光発電や蓄電池の導入効果をシミュレーションできるクラウドサービス『エネがえる』を運営しています。『エネがえる』は、太陽光パネルのメーカーや販売店などが利用し、幅広い顧客への提案活動に活用されています。FAQの検索性を高めるため、AIナレッジ検索ツールのHelpfeelを導入しました。

問い合わせ体感8割減 検索後の回答到達率約80% 顧客体験向上による 解約率減少・売上アップ

電気代高騰を背景に太陽光発電ニーズが急拡大。販売店や施工店など新規参入が増え、基本的な質問への対応が課題に

── はじめに、貴社のサービス『エネがえる』の概要と、成瀬様の業務内容を教えてください。

『エネがえる』は、家庭用の太陽光・オール電化・蓄電池の経済効果をシミュレーションできるクラウドサービスです。今後、需要が増加するであろうEV(電気自動車)のシミュレーションにも対応しています。

現在の主なユーザーは、太陽光パネルのメーカー、商社、販売店や施工店です。電気代がどのくらい下がるのかが数値でわかる営業支援ツールとして、販売店では商談や提案書作成にご活用いただいています。私は、カーボンニュートラル推進部 デジタルエネルギーグループに所属し、『エネがえる』の営業を担当しています。

成瀬様がインタビューに答えている写真

カーボンニュートラル推進部 デジタルエネルギーグループ 成瀬 夏実様

── Helpfeel導入前、問い合わせに関してどのような課題がありましたか?

『エネがえる』の需要拡大に伴い、問い合わせが急増することが想定されたため、対策を打たなければならないと考えていました。

当時は、太陽光発電の需要が急拡大していた時期でした。戦争の影響でエネルギー供給が不安定になり、日本でも電気代が高騰したためです。太陽光パネルの販売店や施工店の新規参入が増え、『エネがえる』のユーザーも大きく伸びていました。当社としては、この状況を「顧客価値を高めるフェーズ」にあると捉えていました。

ユーザーからの問い合わせチャネルとしては、電話、メール、チャットボットがありますが、業界慣習として電話でのコミュニケーションが多く、現場で問題をすぐ解決したいニーズもあるため、どうしても問い合わせは電話に集中します。ただ、『エネがえる』は少人数で運営しており、問い合わせ対応は営業担当が1人で行っている状態でした。問い合わせが立て込んだ時には、プロダクト開発をしているエンジニアが返信することもあったのです。

以前からホームページにFAQを設置していたものの、検索機能が芳しくなく、お客様が欲しい情報にたどり着けていないと感じていました。また、当時は新規参入企業が増えたことで再生エネルギーにまつわる基本的な質問も増えていた時期だったのです。

── 課題を解決するために、どのような検討をしましたか。また、Helpfeelを導入した決め手も教えてください。

優れた顧客体験を提供するとともに、問い合わせを減らして業務を効率化するために、FAQの改善に着手することにしました。インターネットでリサーチしている中で出会ったのが、Helpfeelでした。

採用の決め手は、あいまいなキーワードでも適切な記事にヒットする検索精度の高さに惹かれたことです。意図予測検索を活用すれば、お客様が求める記事を見つけて、不明点を自己解決できるようになるという期待がもてました。UI(ユーザーインターフェース)も優れており、投資額に見合う顧客体験の向上が見込めると判断し、導入を決めました。

FAQ画面を商談にも活用。「ガソリン」「補助金」など検索ログから得られるVoCをプロダクト開発へつなぎ、ナレッジ循環を実現

── Helpfeel導入後、どのような体制で、どういった点を意識してFAQを運用していますか。

現在は、私を含む営業担当3名でFAQを運用しています。記事が増えすぎてユーザーが記事を探しづらくならないよう、問い合わせが多い内容を優先的に掲載し、個別性が高い情報は載せない方針を立てています。また、販売店も多く利用するFAQなので、営業トーク集などのお役立ち情報も掲載しているのが特徴です。

エネがえるのFAQで「セールストーク」を検索した画面

『エネがえる』のFAQページ

Helpfeel導入後は検索データが精緻に取得できるようになったため、検索キーワードからユーザーの関心や動向を把握し、プロダクト開発部門にも随時共有しています。

たとえば「ガソリン」というキーワードの検索が増えていれば、EV需要が高まっていると考えられますし、「補助金」など国の制度関連の記事が多く閲覧されていれば、制度情報を知りたいユーザーが増えていることが推測できます。このように、検索データから得られるVoCにはユーザーの“いま”のニーズがそのまま表れており、プロダクトや機能開発の重要な資源として活用しています。

── 『エネがえる』ユーザーにFAQを活用いただくために実施していることがあれば、教えてください。

FAQを日常的に使っていただくようにするには『エネがえる』の導入初期が最も重要だと考えているため、新規の商談ではFAQ画面を見せながら使い方をご案内し、不明点はFAQで解決できるサービスであることを認識いただいています。それでも解決できないことがあれば、電話・メール・チャットボットで問い合わせいただくよう伝えています。

── Helpfeelのカスタマーサクセスへのご感想もお聞かせください。

毎月の定例会で検索状況やキーワードの傾向を整理して共有いただけるので、必要な施策を明確にできます。定例会がなかったら導入したまま、改善が進んでいなかったと思いますね。カスタマーサクセスの存在がHelpfeelを導入し続けている大きな要因と言ってもいいほどです。当社のサービスへの知見も深く、FAQ運用にとっては欠かせない存在になっています。

問い合わせ“体感8割減”で顧客体験が向上。
解約率低下・売上拡大を後押し

── Helpfeelを導入してからの具体的な効果を教えてください。

FAQを運用し始めてから、体感値となりますが、問い合わせ数は8割ほど減少しました。必要十分な記事を揃え、データに基づいて改善を重ねていることが結果につながっていると思います。少人数体制であっても効率的にFAQを運用でき、メンバーが本業に集中できるようになったことを実感しています。

最大のメリットは、顧客体験が向上したことです。Helpfeelに訪れたユーザーのうち、43%が検索を利用し、その80%以上が回答まで到達しており、多くのユーザーが「不明点をFAQですぐ解決できた」という体験をしていただいていることがデータからうかがえます。この円滑な体験によって顧客満足度が上がり、解約率低下や売上アップという成果につながっています。ユーザーへヒアリングした際も、多くの企業から「困った時に検索すればすぐ解決できるので、満足している」という声が寄せられ、高い評価をいただいています。

Helpfeel顧客体験の好循環

── その他の点で感じている効果はありますか?

FAQの中で閲覧数が多い記事を『エネがえる』サービスページ内のブログに転載し、多くのユーザーに読んでいただいています。今後はさらにSNSなどにも活用の幅を広げ、サービスの認知拡大を図っていきたいと思います。

AIが顧客体験を進化させる。「センスのいい営業」が常駐する“オンライン営業”の未来を構想

── 今後の展望をお聞かせください。

現在のFAQは太陽光発電や蓄電池にまつわる初歩的な情報が少なく、新規参入者が求める情報が網羅できていないことが直近の課題です。Helpfeelのデータを分析していると、初歩的なキーワードの検索数が一定数あり、新規参入者がFAQを使って基本知識を理解しようとしていることに気づきました。そこで、新たに参入する販売店や施工店の皆さまが求める情報を提供できるよう、基本的なキーワード集を作ることを検討しています。

国際航業のロゴを背景に立つ成瀬様の写真

さらなる展望としては、AIエージェントなどを活用して、不明点のサポートから営業、リード獲得まで担当できるようにしたいと考えています。AIを活用して、新規問い合わせから提案、クロージングまでを自動化し、オンライン上に「センスのいい営業担当」が常駐している状態を構想しているところです。

── 最後に、貴社と同様の課題を抱える企業へのメッセージをお願いいたします。

優れた顧客体験は、商品やサービスの成長にとって大切なポイントです。FAQによって不明点をスムーズに解決できるという「検索体験」はあまり注目されない要素ですが、顧客満足度に直結する重要な投資であり、これを実現できるのはHelpfeelの価値だと思います。

※所属・役職はインタビュー当時のものです。


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