- 採用サイトに採用や選考に関するFAQを掲載することで、求職者の不安が解消され、応募数の向上が期待できると感じた
- FAQのフリーワード検索により、VOC分析が可能になる点にも魅力を感じた
- 自社サイトを通じたカジュアル面談の応募数が増加
- FAQページの多くが検索上位に入り、採用サイトの流入数が25%増
従来は接触しにくかった求職者とのタッチポイントになり、求職者のニーズを基にした確度の高いコンテンツ制作が可能に
- ユーザーの生の声を反映し、SEOやAIO(AI最適化)の効果をさらに引き上げていく
- Helpfeelを従業員のキャリア全般を支える「キャリア支援ツール」へ
- 今後は採用サイト以外での活用も検討している
ITエンジニアを育成し、企業に派遣するアウトソーシング事業を手がける株式会社オープンアップITエンジニアでは、エンジニア採用サイトにおいてHelpfeelを導入し、FAQページを通じて求職者の疑問や不安を解消することで、カジュアル面談への応募促進を図っています。
この取り組みにより面談数の増加に加え、これまで接点を持ちにくかった求職者層との新たなタッチポイントを創出し、サイト流入数を約25%向上させる成果を上げています。また、Helpfeelの検索データを活用したVOC分析により、求職者ニーズの可視化が進み、コンテンツの改善にも貢献しています。
同社がHelpfeelを導入した背景や活用方法、導入効果、今後の展開などについて、経営企画本部 Communication Engineering推進部 メディアプロデュースセクション Section Managerの太田高寛様に伺いました。
自社採用で直面した“想定外”の壁…求職者のニーズを掴み切れていなかった
経営企画本部 Communication Engineering推進部 メディアプロデュースセクション Section Manager 太田 高寛 様
── はじめに、貴社の事業についてお聞かせください。
オープンアップITエンジニアは、ITエンジニア派遣サービスやシステム受託開発サービスを提供しています。ITエンジニアを志す未経験者に学びの機会を提供し、市場価値の高いITエンジニアに育て、必要とする企業様へ適切なマッチングを行っています。現在、当社の採用サイトでHelpfeelを導入し、求職者向けにFAQとして活用しています。
同社の採用サイト:よくあるご質問からHelpfeelに遷移
── Helpfeelの導入以前の課題を教えていただけますか。
採用サイトからの応募数の低迷が課題でした。当社は「ITエンジニアを目指す人」を育成し、企業に派遣しています。そのため、ITエンジニアとなる人材の採用は事業の根幹といえますが、その採用は人材紹介サービスに依存している状況でした。
2030年にはIT人材は最大で79万人不足すると予測されているように(※1)、ITエンジニアへの需要は右肩上がりの一方です。多くの業界で人手不足が深刻化する中、ITエンジニアの採用競争はとりわけ激化しています。その影響で人材紹介サービスの採用単価も上昇を続けており、当社においても採用コストの増大が課題となりつつありました。※1:経済産業省「IT人材需給に関する調査」より
そこで、人材紹介サービスに代わる新たな柱として、自社採用の強化を決めました。具体的な施策としては、採用サイトやオウンドメディアの展開です。自前のメディアで求職者にリーチして採用することで、採用費の削減を目指しました。しかし、採用サイトで新たな施策やコンテンツを打ち出しても、思うような反応が返ってこない日々が続きました。
もともと人材紹介サービスに採用を依存していたこともあり、私たちは直接求職者に接する機会が少なく、採用に対するニーズを十分掴めていなかったのだと思います。そのため、本当に求職者のニーズを満たす施策やコンテンツを展開できていなかったかもしれません。
求職者の不安や疑問を解消し、カジュアル面談応募を後押し
── Helpfeelを導入したきっかけをお聞かせください。
Helpfeelを最初に知ったきっかけは、元同僚からの紹介でした。元同僚がHelpfeelというFAQシステムがあることを教えてくれたのですが、そのときに私はピンとくるものを感じました。
当時の私の課題は「採用サイトに流入があっても、カジュアル面談の応募につながらない」ということでした。それまでの取り組みにより、採用サイトへの流入は一定数確保できていたものの、選考前のカジュアル面談への応募が伸び悩んでいたのです。その解消にFAQが役立つと考えました。
採用サイトに一定の流入があるのは、求職者が当社にある程度の興味や関心を持っているからです。しかし、それでも応募数が伸びないのは、条件面などがマッチしないか、もしくは応募を妨げる疑問や不安があるからだと仮説を立てました。
そのため、採用サイトにFAQを設け、採用や選考に関する情報を発信すれば、求職者の不安や疑問を取り除くことができ、カジュアル面談の応募数を伸ばせると考えました。こうしたなかで、求職者向けの情報提供の場としてHelpfeelの導入を決めました。
── Helpfeelの導入時に、特に魅力を感じた機能はありましたか。
フリーワードでFAQを検索できるUIに魅力を感じました。求職者が入力した検索キーワードを収集できるため、どんな疑問や不安を抱えているのか、いわば“生の声”を知ることができます。
私の部署は求職者と直接接する機会が少なく、採用に関するニーズや課題を把握しきれていないという悩みがありました。そのため、このように実際の検索キーワードからインサイトを得られる仕組みは、とても有用だと感じました。
キーワードから求職者のニーズを可視化。記事がみつかならなかったケース(nohit)も把握できる
想定していなかったSEOの効果が顕在化、採用の母集団形成に貢献
── Helpfeelの導入から現在までのプロセスを教えてください。
2022年にHelpfeelを導入し、私を含む2名体制でFAQの運用を担当しています。Helpfeelは専任のカスタマーサクセスによる伴走支援が充実しており、定期的なレポートや運用提案などの支援が受けられるため、Helpfeelの担当者と二人三脚で運用を続けてきました。
基本的な運用方法としては、Helpfeelが提供してくれるレポートの結果をもとにFAQページを追加・編集し、カジュアル面談への応募を促すといった形です。ただし、運用開始から1年ほどが経過した頃に、当初は想定していなかった効果が現れはじめ、運用方法は徐々に変化していきました。
具体的には、Helpfeelが採用サイトのSEOに効果があることが分かったのです。当初は採用サイトに流入した求職者の応募を促すことを目的にHelpfeelを運用していたのですが、レポートの結果を分析していくうちに、検索エンジンから直接FAQページに流入している層が増えていることが分かりました。
これはつまり、当社を知らずに採用サイトに流入しているのであり、従来は接触できなかった求職者層にリーチできていることになります。採用数を増やすためには求職者の母集団形成が必要不可欠ですから、予想外ながらも、これは極めて好ましい効果でした。
こうしたなかで、カジュアル面談への応募を促進するだけではなく、採用サイトのSEO施策としてもHelpfeelを重視するようになりました。
―― そのほか、当初は想定していなかった効果や活用方法はありましたか。
求職者のニーズを踏まえたコンテンツ制作ができるようになったことです。具体的な例としては、「待機」に関するFAQページがあります。
私たちがHelpfeelの検索結果のレポートを分析するなかで、「待機」という言葉が多く検索されていることが判明しました。ここでいう「待機」とは、派遣先のプロジェクトが終了し、次のプロジェクトに派遣されるまでに発生する待機期間のことです。
当社では待機期間が発生した場合も規定に応じた給与を支払い、従業員が生活に困らないような制度となっておりますが、同様の仕組みがあるかどうかは派遣元の企業によって異なります。派遣会社への就労を考える求職者にとっては非常に気になるポイントだととわかりました。そこで、待機期間とその対応に関するFAQページを作成したところ、狙い通りに多くのサイト流入を獲得できました。
このケースに限らず、Helpfeelでは今まで思いもよらなかった求職者の“生の声”を知ることができるため、求職者のニーズを踏まえたコンテンツ制作ができるようになっています。
── Helpfeelのカスタマーサクセスへの評価をお聞かせください。
Helpfeelのカスタマーサクセスは、検索データの活用に長けており、非常に高い分析力を持っていると感じます。例えば、過去に「髪色」というキーワードでの検索数が増えていることが分かった際、「髪色に関するFAQページを分けてみてはどうか」という具体的な提案をいただきました。
当社では、選考時や研修時には髪色の自由を認めていますが、客先へ派遣する際には相手先に配慮した髪色に整えるよう求めています。以前は、選考時・研修時に関するFAQページしか用意しておらず、派遣時の髪色ルールについては選考の場で個別に伝えていました。
その中で、「求職者が選考前に気になる情報を充実させることで、面談や選考への参加率を高めていけるのではないか」という観点から、選考・研修時と派遣時で髪色に関する情報をそれぞれ分けて掲載するという提案をいただいたのです。
このように、単にFAQを追加・更新するだけでなく、「求職者にとってどのような情報を、どのように届けるのがベストか」という視点で提案してくれる姿勢には、とても助けられています。
Helpfeel経由で採用サイトの流入数が25%増。エンジニアのキャリア全般をサポートするツールに
── Helpfeelの導入効果を教えてください。
まず、当初の目標であったカジュアル面談の数は、導入後に増加傾向にあります。Helpfeelが求職者の疑問や不安を解消し、応募のハードルを下げてくれたことが一因だと考えています。
実は、それ以上に私が効果を感じているのは、SEOによる流入増加です。現在、採用サイトへのアクセスのうち約20%がFAQページ経由となっており、導入前と比較して全体の流入数が約25%増加しています。採用数を伸ばすにはまず母集団の形成が欠かせませんから、採用にかかるコストを考慮すると、単純計算で求職者の母集団を4分の1も拡大できたという点で、Helpfeelの導入効果を評価しています。
さらに、Helpfeelを通じて求職者の“生の声”を収集・分析できるようになったことも、大きな価値だと感じています。以前は仮説ベースでコンテンツを制作していましたが、求職者のニーズを正確に捉えきれていない部分も多くありました。実際、私の想定と実際の求職者の声との間には、大きなギャップがあったように思います。
今では、Helpfeelを活用することで、求職者のリアルな疑問を可視化できるようになりました。今後、SEOやAIO(AI最適化)の効果をさらに引き上げていくうえでも、ユーザーの生の声を収集・分析できる機能は有効だと考えています。
── 今後のHelpfeelの活用の展望をお聞かせください。
オープンアップITエンジニアでは、自社の事業を「エンジニアのキャリア支援事業」と定義しており、単なる派遣や受託ではなく、事業を通じてエンジニアのキャリア形成を本質的に支援することをミッションとしています。ユーザーの声を聞き、コンテンツに即座に反映できるHelpfeelは、このコンセプトに非常にマッチすると私は考えており、今後は、採用サイト以外の様々な場面でもエンジニアのキャリア支援に活用していきたいと考えています。
