Web接客を「売上を生む顧客接点」へ。
ローン成約数の伸びに貢献する、
碧海信用金庫の“Web上の営業担当者”とは

碧海信用金庫の本部が置かれる安城市の街並み

愛知県を中心に地域密着型の金融サービスを提供する碧海信用金庫。2021年にデジタル戦略部を発足し、非対面サービスの拡充を進める中で、Webからのローン成約強化と顧客の「迷い」に応える新たなWeb接客の構築を目指し、Helpfeel Growthを導入しました。

ローン成約数 最大でおよそ1.5倍 問題解決率 (旧チャットボット対比) 5倍 問い合わせの 抑制にも貢献

導入前の課題

  • Web完結型ローンの手続き途中での離脱や店舗相談が発生
  • チャットボットのメンテナンスが追いつかず、お客様の知りたい情報を適切に届けられていなかった
  • AIの誤情報を防ぎながら、ローン成約数と顧客満足度を高めたかった

導入の効果

  • Web経由のローン成約数が最大で前年比約1.5倍に増加(同時にWeb広告の出稿あり)
  • 問題解決率が6%から29%へ、およそ5倍に向上
  • さらに、自己解決できる問い合わせの抑制にも貢献

Webで集客できても、成約まで届かない。Web完結型ローンの「最後の一押し」が課題に

神谷様、水野様、吉田様3名の集合写真

── はじめに、デジタル戦略部のミッションと業務内容をお聞かせください。

水野様 2021年4月に立ち上げたデジタル戦略部のミッションは主に3つあります。1つ目はHPやアプリなど「お客様向けデジタルサービス」の企画・運営、2つ目は生成AI活用を含む「内部の業務改革」、3つ目が「お取引先である中小企業様のデジタル化支援」です。

メンバーは、企画部門、システム部門、そして営業店の現場の経験者を集めています。現場の声を吸い上げ、実際にお客様や現場が活用できるデジタル施策を企画し、実行するための体制です。

水野 嘉大様の写真

デジタル戦略部 部長 水野 嘉大 様

── Helpfeel導入前には、どのような課題がありましたか?

水野様 コロナ禍で来客数が数割減少した経験を踏まえ、お客様の利便性と満足度を高めることを最優先事項として掲げ、非対面チャネルの強化を進めていました。特に、Web上で手続きが完結する個人向けのマイカーローンやフリーローンでは、非対面での集客から申し込み、成約までを一貫して促せる仕組みを構築したいと考えていました。

吉田様 これらのローンは、Web広告を通じて新規のお客様へアプローチしています。ただ、広告から当金庫のサイトにたどり着いていただいても、商品への疑問や不安をその場で解消できなければ、お客様は離脱してしまいます。

そこで、Web上で興味を持たれたお客様が来店されなくても疑問や不安を即座に拭い去れる、いわば「痒いところに手が届く」丁寧な接客をWeb上で再現し、成約にしっかりつながる仕組みを作りたいと考えたのです。

神谷様 ただ、当時はシナリオ型のチャットボットを運用していたものの、お客様が自身の言葉で検索しても欲しい答えにたどり着けず、途中で離脱されたり、申し込みを中止したりするケースが発生していました。チャットボットはメンテナンスも追いつかず、成果が出ないまま「設置しているだけ」の状態が2年ほど続いていました。そのため、確実にお客様の意思決定と購買行動(成約)へ貢献する仕組みへ切り替えることが必要だと考えていました。

── 多くのAIソリューションがある中で、Helpfeel Growthにはどのような印象をもちましたか?また、導入の決め手についても教えてください。

吉田様 当金庫では、業界に先駆けてDXを推進し、新しい技術を積極的に取り入れています。そうした当金庫がHelpfeel Growthに魅力を感じたのは、AIでお客様一人ひとりの意図を汲み取り、商品を検討する際の「迷い」を払拭することで、申し込みなど次のアクションを後押しするという発想です。

神谷様 まずはマイカーローンおよびフリーローンの事前申し込みを対象にトライアル検証を実施しました。そこで明確な成果を確認できたため、他社システムと比較検討することなく、正式導入が決まりました。

水野様 生成AIが文章を直接生成するタイプではなく、金庫側が作成した正確なFAQ記事を提示する仕組みである点も決め手となりました。金融機関として最も懸念されるハルシネーション(AIが誤情報を生成すること)のリスクを確実に抑えられるからです。

吉田様 導入にあたっては、Web完結型のローン商品の「成約数アップ」を第一目的に、副次的な効果として「コールセンターへの入電数抑制」も狙う方針で運用をスタートしました。

トライアル検証で申込遷移数が+25件。「顧客の意図」分析を武器に、ローン成約の最大化へ

神谷 翔太様の写真

デジタル戦略部 デジタルビジネス推進グループ グループ次長 神谷 翔太様

── Helpfeel導入後、どのような作業から運用を始めましたか?

吉田様 以前のチャットボットには2,000件を超える膨大なコンテンツが登録されていたため、まずはHelpfeelの担当者と相談しながら、重要度の高いマイカーローンやフリーローンの商品情報を中心に約300記事へと集約・厳選しました。あわせて、借り入れの流れやスケジュール、必要書類といった問い合わせの多い内容に関しては新規記事として作成しました。

まずは既存のコンテンツをフル活用してスピード感をもってリリースし、運用しながら改善活動を積み重ねていく方針で運用をスタートしました。

── 現在の運用体制や、注力しているKPIについて教えてください。

吉田様 現在は私と神谷の2名体制で運用しています。「Web完結型ローンの仮審査件数」をKPIとしています。Helpfeelで商品情報を見てもらうだけでなく、実際のアクションにどれだけつながったかを追っています。

トライアル時、Web完結型ローン仮審査数の増加に期待できる「マイカーローンの事前申し込みページへの遷移数」が導入前と比べて3か月で25件増加した実績がありました。この成功体験をさらに拡大させるため、現在も重要な指標として計測を続けています。

── Helpfeelのカスタマーサクセスへのご感想もお聞かせください。

吉田様 月に一度の定例会で、「お客様が購入・申込前に何に迷っているか」といったインテント(顧客の意図)データに基づいて、具体的な改善案をいただけるため大変助かっています。「このキーワードの検索数に対して記事が不足している」「この記事はこのように修正すると遷移率が上がる」といった具体的なアドバイスがあるからこそ、少人数のチームでも迷わず改善サイクルを回せています。

たとえば、「2台目のマイカーローンは借りられるか」「住宅ローンと併用できるのか」「居住エリアは対象内か」といった申し込みを躊躇させる要因となっていた記事は、カスタマーサクセスからの提案で追加したものです。正確性が厳しく問われる金融機関だからこそ、感覚ではなく「データ」という客観的な事実に基づいて判断・改善できる点に大きな安心感を持っています。

Web経由のローン成約数は前年比約1.5倍。問題解決率も約5倍に伸び、問い合わせ抑制にも寄与

吉田 雄一様の写真

デジタル戦略部 デジタルビジネス推進グループ 係長 吉田 雄一様

── Helpfeel Growth導入後、具体的にどのような効果を実感されていますか?

吉田様 まず、データから多くのお客様にご利用いただき、求める情報を届けられている手応えがあります。セッション数は毎月伸び続けており、検索利用率35〜41%、回答到達率60%台、自己解決率50%前後(※1)と高い水準で安定推移しています。

中でも「問題解決に至る割合(※2)」が劇的に改善しました。以前のチャットボットでは問題解決率が約6%とかなり低迷していましたが、導入後は約29%と、およそ5倍にまで上昇しています。

KPIである「Web完結型ローン仮審査件数」も、マイカーローンを中心に好調に推移しています。最終的なローン成約数を見ると、導入前と導入直後の半年を比べると約10%増加しています。特に、ライフスタイルが大きく変化する3月は前年比約1.2倍、4月は同約1.5倍と大幅な伸びを記録しました。

※1:検索利用率は、検索により疑問を解消しようとする行動がされているかを測る指標。
回答到達率は、検索行動したセッションのうち、回答に到達できているかを確認する指標。
自己解決率は、回答に到達した顧客が疑問を解決した割合を測る指標。
※2:(記事の末尾「この記事で疑問は解決しましたか?」という問いに対して「はい」が押された回数)÷(全体のセッション数)で算出した、碧海信用金庫様の独自指標。

── その他の面で感じている効果はありますか?

吉田様 もう一点、副次的な効果として感じているのが、客数や取扱商品が増加しているにもかかわらず、コールセンターの入電数を横ばいに維持できている点です。Helpfeelが自己解決できる問い合わせを吸収し、入電数の増加を抑えられている証拠だと実感しています。

「問い合わせ窓口」から「Web上の営業担当者」へ。デジタル接点は新たな営業チャネルになる

── 今後の展望をお聞かせください。

吉田様 当金庫は、対面と非対面を融合させる「OMO戦略(※3)」を推進しています。非対面チャネルで利便性を高めることは、決して対面を軽視することではありません。まずWebで不安や疑問を解消してご納得いただき、そのうえで営業担当の訪問やご来店を通じて具体的なご提案を行うーーデジタルとアナログを滑らかに行き来することで、地域のお客様との信頼関係をより強固にしていきたいと考えています。
※3:Webやアプリ、実店舗などの顧客接点を一体化させ、顧客に一貫して便利で快適な体験を提供するマーケティング戦略のこと

その中で、Helpfeelを将来的には「Web上の営業担当者」と呼べるような存在へと育てていきたいですね。単にお客様の疑問に答えるだけでなく、その意図を汲み取り、次に必要な情報や行動へと自然につなげていきます。

水野様 さらに今後は、人間だけでなく、AIがWebサイトを訪れて情報を収集・比較する機会も増えていくでしょう。A2A(※4)時代を見据えると、正確な情報を整備するだけでなく、HelpfeelのようにAIにとっても参照・比較しやすい形で情報を届けられる環境づくりが重要になると感じています。
※4:Agent to Agent=AIエージェント同士が人間を介さずに直接情報をやり取りする仕組み・概念。

今後もインテント(顧客の意図)データを活用しながら、お客様一人ひとりに最適な情報を届け、Webから対面まで一貫したより良い顧客体験を実現していきたいです。

碧海信用金庫様Webページの画面キャプチャ

トップページだけでなく、あらゆる下層ページにもHelpfeelの「よくある質問はこちら」ボタンを配置し、
お客様がいつでも疑問解消を図れる環境を提供している

── 最後に、貴金庫と同様の課題を抱える企業へのメッセージをお願いいたします。

吉田様 お客様がどんな言葉で検索しても知りたい情報にたどり着ける「意図予測検索」は、成果に直結するWeb接客そのものです。当金庫でも、成約数アップという明確な結果を残しています。

特に情報の正確性と成果の両立に悩む金融機関にとって、提示する情報をコントロールできるHelpfeelは「まさにこれだ」と言えるほどの相性の良さがあります。カスタマーサクセスがインテント(顧客の意図)データの分析からマーケティングの改善提案まで二人三脚で支えてくれるので、安心して運用を行うことができます。

※本記事の内容、数値、所属・役職は、取材当時の情報です。


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