マルチAIエージェントとは?
マルチAIエージェントとは、複数のAIエージェントがそれぞれ異なる役割を担い、連携しながら1つの業務やタスクを処理する仕組みです。
AIエージェントには、1つのエージェントが計画から実行、結果の確認までを担う「シングルエージェント」と、複数のエージェントが役割を分担して処理する「マルチエージェント」があります。
マルチエージェントでは、たとえば「計画を立てる」「情報を調査する」「処理を実行する」「結果を確認する」といった工程を、それぞれ異なるAIエージェントが担当できます。
たとえば、問い合わせ対応では次のような構成が考えられます。
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このように、複数のAIエージェントが専門的な処理を分担することで、1つのエージェントだけでは対応が難しい、複雑な業務の自動化にもつなげられます。
シングルエージェントとマルチエージェントの違い
シングルエージェントとマルチエージェントでは、処理の進め方や得意とする業務が異なります。主な違いは以下のとおりです。
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比較項目 |
シングルエージェント |
マルチエージェント |
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処理の担当 |
1つのエージェントがすべてを処理 |
複数のエージェントが役割を分担 |
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対応できる複雑さ |
比較的シンプルなタスクに向いている |
多段階・複雑な業務にも対応しやすい |
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処理速度 |
並列処理が難しい場合がある |
並行して処理できるため効率が上がる場合がある |
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導入・管理の難易度 |
比較的シンプル |
エージェント間の設計や調整が必要 |
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向いているシーン |
単一の目的・限定した業務 |
複数の工程が絡む業務・大量処理 |
シングルエージェントは、特定の目的に絞った業務や比較的シンプルなタスクに適しています。一方、複数の工程が連続する業務や、異なる処理を組み合わせる必要がある業務では、マルチエージェントが適しています。
どちらが優れているわけではなく、業務の複雑さや規模、必要な処理内容に応じて使い分けることが重要です。
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マルチAIエージェントの主な3つの構成パターン
マルチAIエージェントは、業務内容や処理の目的に応じて、さまざまな構成で設計できます。ここでは、代表的な3つのパターンを紹介します。
パターン1|階層型(オーケストレーター型)
統括役のエージェント(オーケストレーター)が全体の流れを管理し、必要に応じて各専門エージェントに指示を出す構成です。
業務全体を統括する役割を1つのエージェントに集約できるため、処理の流れを管理しやすい点が特徴です。複数の工程や専門的な処理が含まれる業務に適しています。
パターン2|並列型
複数のエージェントがそれぞれ独立して処理を行い、最後に結果を統合する構成です。
たとえば、複数の情報源を同時に調査し、それぞれの結果をまとめて回答を生成するといった用途に活用できます。
複数の処理を並行して進められる一方、各エージェントの出力を適切に統合する仕組みが必要です。
パターン3|検証型(チェック付き)
実行を担当するエージェントと、その結果を確認する検証エージェントを組み合わせる構成です。
生成AIは誤った情報を出力する可能性があるため、別のエージェントが回答内容を確認し、必要に応じて修正します。回答の正確性が求められる業務や、外部向けの回答を生成する場面などに適しています。
マルチAIエージェントの業務活用事例
マルチAIエージェントは、複数の工程を含む業務や、異なる役割の処理を組み合わせる必要がある業務に活用できます。ここでは、代表的な3つの活用例を紹介します。
カスタマーサポートへの活用
問い合わせ対応では、複数のAIエージェントがそれぞれ異なる処理を担当する構成が考えられます。
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このように工程ごとに役割を分担することで、問い合わせの分類から情報検索、回答生成までの処理を効率化できます。
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バックオフィス業務への活用
請求書処理や社内申請など、複数の工程が発生する定型業務にも活用できます。
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これまで担当者が行っていた確認や転記などの定型作業を自動化することで、業務負担の軽減や確認漏れの防止につながります。
情報収集・レポート作成への活用
複数の情報源からデータを集め、レポートを作成する業務にもマルチAIエージェントを活用できます。
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定期的に発生する情報収集やレポート作成を自動化することで、担当者の作業負担を軽減できます。
マルチAIエージェントを導入・活用する5つのステップ
マルチAIエージェントを導入する際は、いきなりシステムを構築するのではなく、対象業務の整理から始めることが重要です。ここでは、導入・活用までの基本的な流れを5つのステップに分けて紹介します。
Step1|自動化したい業務の流れを書き出す
まずは、自動化したい業務のプロセスを整理します。「誰が・何を・どの順番で処理しているのか」を可視化することで、エージェントに任せられる工程を把握しやすくなります。
最初から複雑な業務を対象にするのではなく、工程が明確で、問題が発生した場合にも対応しやすい業務から始めるとよいでしょう。
Step2|エージェントの役割と担当範囲を決める
業務フローを整理したら、各エージェントの役割と担当範囲を決めます。
1つのエージェントに多くの役割を持たせると、処理や管理が複雑になる場合があります。そのため、基本的には「1エージェント・1役割」のように、担当範囲を明確にすることがポイントです。
Step3|エージェント間のデータ連携を設計する
マルチAIエージェントでは、エージェント同士がどのようにデータを受け渡すかも重要です。
前のエージェントの出力が次のエージェントの入力になるため、データ形式や受け渡す情報をあらかじめ決めておきます。
連携方法が不明確だと、途中で処理が止まったり、意図しない結果が出力されたりする可能性があるため注意が必要です。
Step4|小さく動かして検証する
設計ができたら、まずは対象となる業務やデータを限定して動作を確認します。
各エージェントが想定どおりに処理できているか、エージェント間の連携に問題がないかを確認し、必要に応じて改善します。
問題がないことを確認してから、対象範囲を徐々に広げていくとよいでしょう。
Step5|運用しながら改善する
本番運用を開始した後も、エージェントの処理結果を定期的に確認し、継続的に改善します。
回答の精度や処理時間、エラーの発生状況などを確認し、必要に応じてプロンプトや役割、業務フローを調整しましょう。
また、業務内容や社内ルールが変わった場合には、エージェントの役割や処理方法も見直すことが重要です。
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マルチAIエージェントの導入時に注意したい3つのポイント
マルチAIエージェントを導入する際は、エージェントの構成だけでなく、運用や参照する情報の品質にも注意が必要です。ここでは、導入時に押さえておきたい3つのポイントを紹介します。
必要以上に複雑な構成にしない
エージェントの数が増えるほど、設計や管理、トラブル発生時の対応にかかる負担も大きくなります。
最初から多くのエージェントを組み合わせるのではなく、自動化する業務に必要な最小限の構成から始め、運用状況を見ながら段階的に拡張することが重要です。
重要な処理には人による確認を残す
マルチAIエージェントによって自動化できる業務の範囲は広がりますが、すべての工程を自動化することが適切とは限りません。
特に、外部への回答や重要な業務判断を伴う処理では、最終的な確認を人が行う仕組みを設けることが重要です。自動化する範囲と人が確認する範囲をあらかじめ明確にしておきましょう。
参照するナレッジの品質を維持する
AIエージェントが参照するマニュアルやFAQなどの情報は、出力結果の品質にも影響します。
古い情報や誤った情報が含まれていると、エージェントが適切に処理できない可能性があります。
そのため、エージェントの精度を高めるには、参照元となるナレッジを整理し、常に最新の状態に保つことも重要です。
マルチAIエージェントを支えるナレッジ基盤「Helpfeel」
マルチAIエージェントを活用するうえでは、各エージェントが参照するナレッジの品質が重要です。
どれだけ適切なエージェント構成を設計しても、参照する情報が古かったり、必要な情報を見つけにくかったりすると、期待した結果を得られない可能性があります。
Helpfeelは、社内に蓄積されたマニュアルやFAQ、問い合わせ履歴などのナレッジを整理・管理し、必要な情報を検索しやすくするAIナレッジプラットフォームです。
独自の「意図予測検索」により、質問と情報の表現が異なる場合でも、ユーザーの意図を捉えて関連する情報を検索できます。900サイト以上の導入実績があり、検索ヒット率98%を実現しています。
マルチAIエージェントを業務に活用する際も、Helpfeelをナレッジ基盤として組み合わせることで、エージェントが必要な情報を取得しやすくなり、より精度の高い業務処理につなげられるでしょう。
マルチAIエージェントに関するよくある質問
Q. マルチAIエージェントとAIエージェントは何が違いますか?
A. 複数のAIエージェントが、それぞれ役割を持って連携する点が大きな違いです。
AIエージェントでは、1つのエージェントが計画から実行、結果の確認までを一貫して行います。一方、マルチAIエージェントでは、「情報を集める」「内容を分析する」「回答を作成する」といった処理を複数のエージェントで分担します。
そのため、1つのAIだけでは処理が複雑になりやすい業務でも、役割を分けることで対応しやすくなります。
Q. マルチAIエージェントはどんな業務に向いていますか?
A. 複数の工程を組み合わせて処理する業務に向いています。
たとえばカスタマーサポートなら、問い合わせ内容の分類、関連情報の検索、回答の作成、内容の確認といった工程があります。これらを複数のエージェントに分担させることで、一連の対応を自動化できます。
ほかにも、書類の読み取りから内容の確認、システムへの登録までを行うバックオフィス業務や、複数の情報源を調査してレポートを作成する業務などにも活用できます。
Q. マルチAIエージェントを導入するには専門知識が必要ですか?
A. エージェントの設計やシステム連携には、ある程度の知識が必要です。
マルチAIエージェントでは、それぞれのエージェントにどのような役割を持たせるのか、処理した情報を次のエージェントへどう渡すのかなどを考える必要があります。
ただし、最近ではノーコード・ローコードで構築できるツールも増えています。まずは比較的シンプルな業務で試してみて、使いながら対象範囲を広げていく方法もあります。
Q. マルチAIエージェントの導入にはどのくらい費用がかかりますか?
A. 費用は、利用するツールやAIモデル、開発の規模によって変わります。
既存のクラウドサービスを利用する場合は、比較的少ない費用から始められるケースがあります。一方、自社の業務に合わせたシステム開発や既存システムとの連携が必要になると、その分の開発費用も必要です。
費用を抑えながら導入するなら、いきなり全社的に展開するのではなく、まずは一部の業務を対象に効果を確認する方法がおすすめです。
Q. マルチAIエージェントですべての業務を自動化できますか?
A. すべての業務をAIだけで完結させるのは難しいでしょう。
情報収集や定型的な処理など、一定のルールに沿って進められる業務は自動化しやすい一方、最終的な判断や交渉、責任を伴う意思決定などは人が担う必要があります。
そのため、マルチAIエージェントを導入する際は、「どこまでをAIに任せるか」を決めることが大切です。重要な判断や最終確認には人が関わる仕組みにしておくことで、AIの利便性を活かしながらリスクも抑えられます。
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まとめ
マルチAIエージェントは、複数のAIが役割を分担して連携する仕組みです。単体のAIエージェントでは対応が難しかった、複数工程にまたがる業務の自動化に向いています。
導入を進める際のステップを振り返ると、以下のようになります。
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複雑な業務ほど、設計の段階で役割分担を明確にすることが成功のカギになります。まずは自動化したい業務のプロセスを書き出すところから始めてみましょう。
