チャットボットとChatGPTの基礎知識
まず始めに、チャットボットとChatGPTの基本情報について解説します。
チャットボットとは
チャットボットとは、英語の「Chat(会話)」と「bot(Robot/ロボット)」を組み合わせた造語で、日本語では「自動会話プログラム」と呼ばれます。チャットボットには、ルールベース型と機械学習型という2種類があります。
ルールベース型は、あらかじめ開発者が設定したルールに基づいて応答する仕組みです。対話の流れにある程度の一貫性があり、機能や応答パターンを用意するだけで比較的早く導入できます。
一方、機械学習型は、ユーザーの対話履歴を学習して新しい応答を生成します。ルールベース型のように対話の流れやルールが決まっておらず、より柔軟かつ自然な対話が可能です。
ChatGPTとは
ChatGPT(チャットジーピーティー)とは、アメリカのスタートアップ企業「OpenAI」が開発した人工知能(AI)搭載型チャットボットです。生成AIツールのうち、自然言語に特化したモデル(大規模言語モデル/LLM)の1つで、人間らしい自然なコミュニケーションを実現しています。
インターネット上の情報を含む大規模な言語データを事前学習することで、高精度な作業もスムーズに処理することが可能です。簡単な質問だけでなく、アイデアの提案や情報の多い複雑な問い合わせにも対応できます。
最新モデルの「GPT-4o」やプラグイン機能により、文章だけでなく画像や動画を扱うマルチモーダル対応もスタートしています。
チャットボットとChatGPTの違い
チャットボットとChatGPTは、どちらもチャット形式で回答を得るシステムですが、さまざまな違いがあります。ここでは主な5つの違いについて解説します。
回答を導き出す仕組み
チャットボットとChatGPTとでは、回答を得る仕組みが異なります。チャットボットは、事前に回答を登録しておき、ユーザーが選んだ選択肢に応じて該当するものを返答する仕組みです。
従来のチャットボットの中にはAIを搭載しているものもありますが、基本的には登録されていない内容に関する質問に答えることはできません。また、チャットボットは準備されたシナリオに沿って回答するため、シナリオの品質が重要です。
一方、ChatGPTは膨大なデータを事前学習し、質問されたタイミングで回答を自動生成します。学習データに基づき、入力されたテキストの文脈からユーザーの意図を理解して回答を出力することが可能です。
回答の精度
チャットボットはシナリオに基づいて機能するため、同じ質問に対しては常に同じ回答を返します。そのため、事前に回答文を充実させる、正確性をチェックする、といった対策により回答精度を高めることが可能です。
一方、ChatGPTは同じ質問を投げかけても、都度異なる内容や表現で回答する場合があります。また、ChatGPTの回答は参考データに依存するため、インターネット上にある間違った情報を正しいかのように回答する可能性がある点には注意が必要です。
加えて、ChatGPTの学習データが古い場合、最新の正しい情報を導き出すことはできません。ChatGPTで得られた回答内容の正誤を必ずチェックする必要があります。
情報量
チャットボットが扱えるのは、事前に登録した質問と回答のみですが、ChatGPTは膨大な言語データを事前に学習することが可能です。学習データ量は公式には公開されていませんが、新しいモデルが登場する度に学習データ量も増えていると言われています。
また、ChatGPTではインターネット上のデータも参照しています。大規模な言語データを学習でき、ユーザーの求める答えに辿り着きやすい一方で、間違った答えへ誘導してしまう可能性がある点には注意が必要です。
対応の柔軟性
あらかじめ用意された回答にのみ対応しているチャットボットと比べて、ChatGPTでは柔軟な対応を実現しています。ChatGPTでは人間と会話しているような自然なコミュニケーションが可能です。
また、ChatGPTで得られた回答にズレがあっても、追加の質問で掘り下げることで、改めて質問の意図を理解し、正しい回答を導き出せる場合もあります。
一方、チャットボットは同じ質問に対する回答は統一されていますが、想定外の質問への返答はできず、柔軟性は劣ります。ChatGPTを利用して、従来のチャットボットの回答パターンを増やすといった使い方は有用です。
多言語対応
チャットボットで多言語対応を実現するためには、翻訳済みの言語で個別のQ&Aを作成する必要があります。一方、ChatGPTは、英語、中国語、スペイン語、ドイツ語など50以上の言語に対応しており、多くの言語を理解できます。
翻訳機能を備えているわけではありませんが、入力テキストを工夫することで言語翻訳を依頼することが可能です。また、JavaScriptやPythonといったプログラミング言語も理解できるため、コード処理などのタスクも依頼できます。
現時点では、インターネット上のデータは圧倒的に英語が多いため、英語以外の言語では翻訳精度に偏りが見られる場合があります。
その他のシステムとの比較
ChatGPTの他にも、チャットボットと同じようなシステムがあります。ここでは、3つのシステムについて、特徴やチャットボットとの違いを説明します。
ボイスボット
ボイスボットとは、AIを搭載した自動応対システムのことで、AI音声自動応答サービスなどとも呼ばれます。音声認識AIが顧客の会話内容を解析し、自動で対応します。カスタマーサポートセンターやコールセンターを中心に導入されています。
チャットボットではテキストで対話するのに対し、ボイスボットでは、ユーザーとシステムが音声でやり取りを行います。ボイスボットは人間の自然な会話に近い対応が可能で、顧客からの直接の問い合わせを減らすために導入する企業も見られます。
ただ、顧客の音声や発言を正しく認識できない、難易度の高い複雑な問い合わせに対応できない、といったデメリットもあります。チャットボットと組み合わせるなどの対策により、応対品質の向上につながります。
AI型チャットボット
AIチャットボットとは、従来のチャットボットにAIを搭載したシステムです。自然言語処理やディープラーニング(深層学習)の技術を用いて、学習データに基づいた回答を自動で生成します。ChatGPTもAIチャットボットの一種と言えます。
AIチャットボットと一般的なチャットボットでは、質問に回答する仕組みが異なります。AIチャットボットでは、AIがユーザーの質問内容を理解し、学習した情報を基に回答を生成します。一方、チャットボットは事前に設定したルールに沿って回答を生成するため、登録した回答以外は返すことができません。
ChatGPTではインターネット上のデータも学習しており、柔軟な対応が可能です。ただ、間違った回答を提示するリスクがあるため、ChatGPTの回答をそのまま使用することはおすすめしません。AI型チャットボットやAI搭載のFAQなど、ツール化されているものを活用すると良いでしょう。
検索エンジン
検索エンジンは、サイト上の情報を効率的に検索するシステムです。ユーザーがキーワードやフレーズを入力すると、関連するWebページやドキュメントを自動で検索し、結果を表示します。
チャットボットやChatGPTは、ユーザーとの対話形式で回答を導き出す仕組みです。一方、検索エンジンはキーワードやフレーズに基づき、情報を検索するという違いがあります。
また、チャットボットではユーザーが自然な会話で質問や要求を出し、スピーディに具体的な回答を得られます。一方、検索エンジンは情報を網羅的に検索し、効率的に必要な情報に辿り着くことができます。
ただ、検索エンジンの場合、あいまいな表現やスペルミスなどによって検索にひっかからない「0件ヒット」があると離脱につながります。ユーザーの利便性を考慮し、キーワードからユーザーが望む回答へと導ける検索性を持つシステムを選ぶと良いでしょう。
FAQに最適なシステムとは?選定する時のポイント
チャットボットやChatGPTのようなAI搭載システムでは、シナリオの設定やデータ学習に時間を要する場合や回答が不正確な場合もあります。また、高度な専門知識が必要で、導入のハードルが高く感じられる場合もあるでしょう
こうしたデメリットを考慮すると、比較的導入しやすいFAQシステムの活用がおすすめです。FAQシステムを選定する際のポイントを3つ紹介します。
質問から回答に辿り着く速さ
FAQサイトを構築する際には、検索性の高いシステムを選ぶことが大切です。FAQサイトには多くの種類がありますが、カテゴリー選択やコミュニケーションによる検索よりも、直接キーワードを打ち込むタイプの方が、求める回答を早く導きやすい傾向があります。
質問や回答の検索スピードを高めるために、閲覧数の多い質問と回答の優先表示や、ユーザーの検索キーワードと対象コンテンツの擦り合わせなどの対策を講じる必要があります。また、FAQの量によってはタグ検索や関連項目のサジェスト機能なども役立ちます。
離脱率の低さ
利便性の高いFAQサイトを運用するためには、検索スピードだけでなく離脱率を抑えることも重要です。リックテレコム社による「コールセンター白書2020」では、FAQサイトで見られている質問のうち、約70%は未解決であるというデータがあります。
代表的な原因が、スペルミスや言い換え、あいまいな表現などにより、ページにキーワードがないと何もヒットしない「0件ヒット」です。例えば、「故障」ではヒットするものの、「動かない」では検索結果が0件になるケースです。
表現の違いやタイプミスがあっても関連事項を表示できるよう整備して求める回答に近づける必要があります。また、検索スピードが遅いとユーザーが途中で離脱してしまい、窓口への問い合わせが増える可能性もあるため注意が必要です。
サポート体制の充実
特に初めてFAQサイトを構築する場合は、サポート体制が充実したものを選ぶと安心です。FAQサイトの導入時には、掲載する質問と回答の作成からページ導線の設計、データ分析など作業が多く、手間取ってしまうことも考えられます。
FAQサイトができあがった後、スムーズに運用できなければ効果が得られない場合もあります。導入から運用、改善まで一貫して必要なサポートを受けられるシステムを選びましょう。
FAQシステム『Helpfeel』は検索ヒット率98%!問い合わせ数の大幅減少に成功
意図まで予測するFAQの『Helpfeel』は、検索キーワードではなく「意図を予測する」特許技術を搭載したシステムです。自然言語辞書やキーワード検索の意図予測、想定問い合わせといった機能を組み合わせて、ユーザーが求めている回答を予測します。
FAQサイトの検索ヒット率は約98%と高い数値を達成。従来までのFAQの1,000倍とされる約0.001秒という高速応答が可能です。また、スペルミスやちょっとした表現の違いも適切に判別し、ユーザーが意図する質問や回答を瞬時に提示できます。
FAQシステムの提供に加えて、サイト構築から利用状況のレポート作成、改善に向けたアクションの提案など幅広いサポートを用意しています。導入サポートは無料で利用でき、スムーズな運用を通して問い合わせ数の削減が期待できます。
FAQサイトの作成にはユーザビリティの高い最適なシステムを選ぼう
チャットボットとChatGPTは、いずれも対話型のチャットシステムですが、回答を得る仕組みや回答の精度、柔軟性などさまざまな違いがあります。FAQサイトの構築では、自社の目的や用途に合わせて、ユーザビリティの高いシステムを選ぶことが重要です。
検索SaaS『Helpfeel』は、特許技術によってユーザーの検索意図を予測し、すばやく回答を提示できます。約98%という高い検索ヒット率を誇り、ユーザーの自己解決を促すと共にオペレーターの業務効率化につなげることが可能です。サービスの概要をまとめた資料を以下よりダウンロードいただけますので、ぜひご活用ください。