ロイヤルティプログラムとは?

ロイヤルティプログラムとは、顧客にポイントや割引クーポンなどの特典を提供し、継続的な関係を築くマーケティング手法のことです。ここでは、ロイヤルティプログラムについて、以下2つのポイントを解説します。
|
ロイヤルティプログラムを知るための参考にしてください。
ロイヤルティプログラムが注目される背景
ロイヤルティプログラムが注目される主な理由は、新規顧客獲得コストの上昇です。新規顧客獲得には広告費や営業コストがかかる一方、既存顧客を維持した方がコストを抑えられるといわれています。
顧客との継続的な関係は、安定した収益基盤を支える重要な要素の1つです。こうした背景から、ロイヤルティプログラムが重視されています。
顧客ロイヤルティとの違い
「顧客ロイヤルティ」と「ロイヤルティプログラム」は似た言葉ですが、言葉の意味が異なります。2つの違いは、以下の通りです。
| 用語 | 違い |
| 顧客ロイヤルティ | 顧客が企業や商品に対して抱く愛着や信頼 |
| ロイヤルティプログラム | 顧客ロイヤルティの高い顧客を育てるための施策 |
つまり、ロイヤルティプログラムは、顧客の愛着や信頼を育てるための“手段”です。ロイヤルティプログラムを通じて企業や商品への愛着を高め、継続的な関係を築くことが目的となります。
▼あわせて読みたい
ロイヤルティプログラムの種類

ロイヤルティプログラムの主要な6つの種類を詳しく紹介します。
|
それぞれの種類を詳しく解説します。
価値共創型
価値共創型とは、顧客が商品を購入したり、サービスを利用したりすることで企業とともにブランドの価値を高めていけるプログラムのことです。
例えば「環境保全」をポリシーに掲げるブランドが「洋服のリサイクル」「過去に購入した洋服の修繕」といったサービスを提供する事例が挙げられます。
サービスを通じてブランドのポリシーに共感する顧客が集まり、ファンコミュニティの形成やロイヤルティ強化につなげられるのが特徴です。
パーパス拡張型
パーパス拡張型とは、企業の存在意義(パーパス)を軸に、顧客との関係を深めるプログラムを指します。購入金額や来店頻度など、購買以外の行動でも顧客ランクがアップする仕組みを取り入れるのが特徴です。
例えば「メルマガ登録」や「公式SNSのフォロー」を条件に顧客ランクを上げ、割引などの特典を提供する方法があります。企業やブランドに対する顧客の理解を深めながら、売上の向上も目指せるでしょう。
経済圏拡張型
経済圏拡張型は、SNSの口コミ投稿やリポスト、関連サービスの申し込みなど、購買行動以外のアクションに対して特典を提供するプログラムです。顧客は、購入シーン以外でも企業やブランドとの接点を持つため、次回購入の選択肢に入りやすくなります。
特典を受けられる方法や場所を身近に設定すれば「特典が欲しいから、プログラムを利用してみよう」と考える顧客が増えるでしょう。
経済圏連携型
経済圏連携型は、他企業と連携して互いの顧客基盤を活用する方法です。例えば、顧客が貯めたポイントに対して、他社のサービス券やギフトカードと交換できる仕組みが挙げられます。
経済圏連携型のメリットは、普段は自社の商品やサービスを利用していない層も自社に取り込めることです。連携先の企業もメリットを受けられるため、お互いのファンを増やしながら、顧客ロイヤルティ向上や新規顧客獲得などの相乗効果を期待できます。
シンプルティア・ノーティア・ノーポイント型
シンプルティア・ノーティア・ノーポイント型は、会員ランクやポイントを設けず、顧客全員に一律の特典を提供することを指します。ランクアップを目指したり、ポイントを貯めたりする必要がないため、プログラムに参加しやすく幅広い層を取り込めるのが特徴です。
ただし、ランクやポイントを設けていないように見えても、実際は購買履歴に応じた特典を提供し、顧客ロイヤルティを高めているケースもあります。
パーソナライゼーション型
パーソナライゼーション型は、顧客に最適化したサービスを提供するプログラムです。例えば、過去の購買履歴や閲覧履歴に合わせてクーポンを送ったり、おすすめ商品を表示したりする方法が挙げられます。
顧客ごとに提案することで「自分にぴったりな商品をお得に購入できる」「好きな商品が揃っている」と思ってもらいやすくなり、他社への離脱を防げるでしょう。また、クロスセル(関連商品の購入)やアップセル(上位商品の購入)の促進も期待できます。
▼「顧客の購買意欲を生み出すマーケティング戦略」の詳細については以下の資料から
ロイヤルティプログラムのメリット

ロイヤルティプログラムを導入することで得られる3つのメリットを詳しく紹介します。
|
メリットを確認し、マーケティングに活かしましょう。
リピート購入が増えLTV向上につながる
ロイヤルティプログラムでお得な特典を提供すると、顧客は「商品・サービスをまた利用したい」という気持ちが高まり、リピート購入の増加につながります。顧客の離脱率が下がるのに加え、リピート購入を続けることで商品・サービスに愛着を持ってもらえるでしょう。
商品・サービスへの愛着が強まれば、購入頻度や購入金額が増え、LTV(顧客生涯価値)の向上を期待できます。LTVとは、顧客が長期的に企業にもたらす利益を示す重要な指標です。ロイヤルティプログラムは、このLTVを高める有効な施策といえます。
▼あわせて読みたい
顧客との関係性が深まりエンゲージメントが上がる
エンゲージメントとは、顧客と企業の間にある信頼の深さや親密さを表します。ロイヤルティは顧客の「愛着」に、エンゲージメントはその結果として生まれる「行動」に焦点を当てているのが違いです。
ロイヤルティプログラムで金銭的な価値を超える特典を提供すれば、エンゲージメントが上がりやすくなります。例えば、「商品開発の裏側を見られるコンテンツの提供」や「会員限定イベントへの招待」といった特典が挙げられるでしょう。
エンゲージメントが高い顧客は「SNSへの好意的なコメントが増える」「お知らせにすぐ反応する」など、マーケティング活動へのアクション率が上がりやすくなります。
▼あわせて読みたい
新規獲得に頼らず集客コストを最適化できる
一般的に新規顧客の獲得には広告費などが必要となり、既存顧客を維持するより5倍のコストが発生するといわれています。そのため、新規顧客獲得を目指すより、顧客との関係を維持した方が効率的に売り上げを伸ばしやすくなります。
ロイヤルティプログラムで離脱率を抑えた場合、少ない予算でも顧客を維持・拡大できます。例えば、ポイントプログラムで顧客にポイントを付与すると「ポイントを使いたいから、次回も同じ商品を購入しよう」と思ってもらえるはずです。
顧客ロイヤルティが向上することで高評価の口コミが広まれば、新規顧客の獲得も期待できます。
ロイヤルティプログラムのデメリット

ロイヤルティプログラムを運用する際に注意したい3つのデメリットを詳しく解説します。
|
それぞれのデメリットを詳しく解説します。
設計を誤ると期待した成果につながりにくい
内容が不十分なロイヤルティプログラムは、効果を得られません。
例えば、以下のような内容だと顧客の不満がたまり、ロイヤルティの減少につながります。
|
ロイヤルティプログラムは、顧客にとって魅力的な特典を継続的に提供することが大切です。参加者全員がメリットを感じられるプログラムを設計しましょう。
参加条件が厳しいと利用が広がらず形骸化しやすい
ロイヤルティプログラムは、顧客が参加することで効果を得られます。たとえ魅力的な特典やサービスを準備したとしても、参加条件のハードルが高く、顧客の利用が広がらなければ十分な効果は望めません。誰でも利用しやすいロイヤルティプログラムを構築することが重要です。
例えば「アプリをダウンロードするだけで参加が可能」「バーコードを見せるだけでポイントが貯まる」といったシンプルな仕組みなら、気軽に参加できます。特典を受け取る際も、簡単な手続きで済ませられるように設計しておくと良いでしょう。
認知・理解を広げる運用がないと定着しにくい
顧客に存在を知ってもらわなければ、ロイヤルティプログラムを定着させるのは困難です。そのため、周知の徹底はロイヤルティプログラムを成功に導くキーポイントといえます。プログラム導入時には、ターゲットを設定した上で広報活動を行いましょう。
例えば、以下のような対策が考えられます。
|
「ロイヤルティプログラムに参加すると、さまざまなメリットがある」と顧客に理解してもらうことで、利用者の増加を期待できます。
ロイヤルティプログラムを成功させる運用のコツ

ロイヤルティプログラムを成功させるための5つのコツを紹介します。
|
プログラムを運用する際の参考にしてください。
目的とターゲットを明確にする
目的とターゲットは、プログラム全体の指針となる重要な要素です。以下のように、具体的な目的を設定しましょう。
|
ターゲット設定では、顧客の購買金額や購買頻度に応じたセグメント分析がポイントです。例えば、「売上の約8割を生む上位2割の顧客層をターゲットに設定し、優遇サービスや特典を提供する」といった設計が考えられるでしょう。
顧客が「得する」だけでなく「続けたくなる」体験を設計する
ロイヤルティプログラムには「金銭的価値がある特典」と「満足感を高める特典」があります。金銭的価値がある特典の例は、以下の通りです。
|
一方、満足感を高める特典の例は、以下の通りです。
|
こうした特典を組み合わせることで、「お得だから使う」だけでなく、「このブランドと関わり続けたい」と思ってもらいやすくなります。
参加〜特典利用までの導線をシンプルにする
魅力的な特典を用意しても、参加〜特典利用までの導線が難しいと、利用者は増えません。できるだけシンプルな導線を設計し、参加のハードルを低くすることが大切です。
例えば、リアル店舗での登録とECストアでの登録を併用し、どちらでもプログラムに参加できるようにする方法があります。
会員ランクやポイントをスマホアプリで常に確認できる状態にして、リアル店舗だけでなくインターネット上でも特典を申し込める仕組みを作るのも良いでしょう。
KPIを決めて改善サイクルを回す
ロイヤルティプログラムは、KPI(重要業績評価指標/最終目標に向けた状況を確認するための目標数値)を設定し、定期的に効果を測定する必要があります。主なKPIは、以下の通りです。
|
各種データを分析することで、顧客から評価されている特典やキャンペーンなどの情報を把握できます。課題が明らかになった場合は改善策を検討し、より魅力的なプログラムになるようブラッシュアップしましょう。
不正利用・コスト増に備えてルールとガバナンスを整える
ロイヤルティプログラムには、悪意のある第三者によるアカウント乗っ取りでポイントや個人情報が盗まれるケースがあります。
また、システム導入費や運用費、特典費などのコストが生じます。事前に予算を決めても、状況によってコストが増える可能性はゼロではありません。
こうした不正利用やコスト増に備え、適切なルールとガバナンスを整えることで、不測の事態が起きても素早く対応できるようになります。
▼Helpfeelでは最新技術を用いた次世代のマーケティング分析機能を提供しています。詳細は資料からぜひご確認ください。
ロイヤルティプログラムの成功事例

ここでは、ロイヤルティプログラムの活用により成果を上げた3つの成功事例を紹介します。
|
それぞれの事例で工夫したポイントや期待できる効果を確認しましょう。
ポイント・会員ランクで継続購入を促進した事例
|
【施策の概要】ポイントを宿泊や食事などの体験と交換できる仕組みを提供 【工夫したポイント】顧客データを活用し、特典をパーソナライズ 【期待できる効果】宿泊や関連サービスの利用促進、継続利用につながる |
ホテル業のA社は、会員ランク・ポイント制のロイヤルティプログラムを運用しています。
貯めたポイントを無料宿泊や食事などの体験に交換できる仕組みにすることで、利用する楽しみを生み出しているのが特徴です。
また、顧客の行動データを分析し、一人ひとりに合わせた特典を提供することで、A社のホテルにまた宿泊したい、関連サービスも利用したいという気持ちを高められます。その結果、顧客との継続的な関係構築が期待できるでしょう。
サブスク型で「特典の使い切り」を設計した事例
|
【施策の概要】初回購入で参加できる会員制サブスクを提供 【工夫したポイント】ポイント不要で特典を受けられる仕組みを採用 【期待できる効果】継続率の向上と安定した利益確保につながる |
小売業のB社は、会員制サブスクリプション型のロイヤルティプログラムを運用しています。
会員費が不要な定期購入プログラムを採用し、初回購入だけで誰でも会員になれる仕組みにすることで、参加しやすさを高めているのが特徴です。
また、ポイントを貯めなくても、新商品・限定商品・おすすめ商品の案内や送料無料といった特典を自動的に受けられるため、継続利用への心理的な負担を抑えられます。顧客の継続率向上と、安定した利益の確保が期待できる成功事例です。
紹介プログラムで獲得効率を高めた事例
|
【施策の概要】既存顧客が新規顧客を紹介すると、双方に特典を付与 【工夫したポイント】紹介する側・される側の両方にメリットがある仕組みを採用 【期待できる効果】口コミが広がりやすくなり、新規顧客の獲得につながる |
定期宅配サービス業のC社は、知人紹介型のロイヤルティプログラムを運用しています。
既存顧客が新規顧客を1人紹介するごとに割引クーポンを受け取れ、紹介された側の顧客には無料食事券が提供される仕組みにすることで、双方にメリットが生まれるよう工夫しているのが特徴です。
紹介された側も、サービスを利用することで特典を得られるうえ、加入後は自分も紹介して特典を受けられるため、紹介の輪が広がりやすくなります。口コミによるマーケティングが進めば、広告費を大きくかけずに新規顧客の増加が期待できます。
ロイヤルティプログラムの運用にはHelpfeel
ロイヤルティプログラムでは、「特典があるのに使われない」「途中で離脱される」といった課題が発生しやすくなります。
その原因の多くは、顧客が必要な情報にたどり着けていないことにあります。例えば、ポイントの使い方が分からない 、特典の条件が理解できない 、自分が対象かどうか判断できない といった小さな疑問が解消されないまま、離脱につながってしまいます。
こうした課題を解決するには、顧客が迷わず自己解決できるFAQ設計と、継続的に改善できる仕組みが重要です。
「Helpfeel Marketing」は、検索ログやユーザー行動データをもとに「どの情報でつまずいているのか」「どの導線で離脱しているのか」を可視化し、改善につなげることができます。
これにより、自己解決率の向上だけでなく、ロイヤルティプログラムの継続率やLTVの向上にも貢献します。ロイヤルティ施策の成果を最大化したい場合は、Helpfeel Marketingの活用を検討してみてください。
特典の設計だけでなく、「迷わせない導線設計」と「改善し続ける仕組み」まで含めて最適化することが、ロイヤルティプログラム成功の鍵です。
まとめ

ロイヤルティプログラムは、顧客と信頼関係を築き、継続的な利益を得るために役立つ施策です。顧客のロイヤルティが高まれば、購入金額や購入頻度が上がり、LTVの向上が期待できます。リピート率が上がることで、集客コストを抑えられるのも大きなメリットです。
ただし、参加条件が難しかったり、プログラムの内容を理解してもらえなかったりすると、利用者は増えません。気軽に参加できる仕組みを作り、利用者を増やすことでロイヤルティプログラムの効果を最大化しましょう。

