カスタマーエフォートスコア(CES)とは?

カスタマーエフォートスコア(CES)とは、顧客が商品やサービスを利用する際に感じた手間や負担を数値化した指標です。日本語では「顧客努力指標」とも呼ばれます。
例えば、顧客がサービスについて質問するためにカスタマーセンターへ問い合わせようとした際、電話番号を探すのに手間がかかったり、自動音声から担当者につながるまでに時間がかかったりすると、その分だけ顧客の負担は大きくなります。
さらに、問い合わせたにも関わらずその場で解決しなかったり、たらい回しにされたりすることもあるでしょう。顧客にとって商品・サービスを利用する際に発生した手間や労力は、ストレスに直結してしまいます。そのため、CESを活用して顧客の負担を可視化し、改善していくことが重要です。
カスタマーエフォートスコア(CES)の計測・計算方法

CESは、ユーザーがサービスを利用した直後にアンケートを実施し、その回答をもとに算出します。
アンケートでは、たとえば「商品・サービスを利用する際に、どれくらい負担を感じましたか?」といった質問を行い、負担の度合いを7段階で評価してもらうのが一般的です。(5段階や11段階を用いるケースもあります)。
集計方法は以下の通りです。
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たとえば、上位2区分の割合が35%、下位3区分の割合が20%だった場合、
| 35%(上位2区分:A)-20%(下位3区分:B)=15%(CES) |
となり、この15%がCESの数値です。
なお、CESを計測する際には、アンケートに自由回答の欄も設けてみましょう。自由回答欄を設けておくと、どの場面で負担を感じたのか、どこでつまずいたのかを具体的に把握できるため、CES改善にも役立ちます。
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カスタマーエフォートスコア(CES)が重要である理由

CESを活用して顧客の手間や労力を把握することには、大きく3つの理由があります。
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それぞれ、詳しく見ていきましょう。
サービスの問題点を改善できる
カスタマーエフォートスコア(CES)は、顧客がサービス利用時に感じた「手間」や「負担」を数値で把握できる指標です。
CESを計測することで、どの場面で顧客がストレスを感じているのかを具体的に特定できます。例えば、問い合わせ対応の手続きが複雑、ECサイトの購入フローがわかりにくい、サポートページの情報が見つけにくいといった課題が明らかになります。
こうした問題点を可視化できるため、企業は優先的に改善すべきポイントを判断しやすくなります。また、改善施策を実施した後に再度CESを測定することで、施策の効果を客観的に検証できます。
結果として、顧客視点でサービスの使いやすさを継続的に改善できる点が、CESを活用する大きなメリットです。
リテンション率の改善や顧客離脱の防止につながる
CESは顧客のリテンション率にも大きく関係しています。リテンション率とは既存顧客維持率を指す言葉であり、サービスの継続・定着を数字で表したものです。リテンション率が高ければ、多くの既存顧客が商品やサービスを継続利用していることを意味します。
逆にリテンション率が低下してしまうと解約や離脱につながる可能性が高くなります。特にサブスクリプション型のビジネスでは、リテンション率の低下はそのまま収益の悪化につながるため、経営への影響も大きくなります。
CESを計測することで、ユーザーがどこに負担を感じているのかを把握できます。そのポイントを改善することで、顧客のストレスが減り顧客満足度の向上につながります。。結果としてリテンション率も高くなり、顧客の離脱を防ぐことも可能です。
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顧客満足度・顧客ロイヤルティが向上する
顧客満足度や顧客ロイヤルティを高めるためには、サービスを利用する際の負担を減らすことが重要です。
顧客が問題を解決するまでに多くの手間や時間を必要とすると、不満やストレスが蓄積し、サービスへの評価が下がる可能性があります。
CESを活用して顧客の負担を把握し改善することで、サービス利用時のストレス軽減が可能です。例えば、FAQの充実や問い合わせ導線の改善、購入手続きの簡略化などの施策により、顧客がスムーズに目的を達成できる環境を整えられます。
顧客の負担が少ない体験はポジティブな印象につながり、サービスへの信頼感や継続利用意向が高まります。その結果、顧客満足度の向上だけでなく、長期的な顧客ロイヤルティの強化にもつながるでしょう。
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カスタマーエフォートスコア(CES)を活用するシーン

カスタマーエフォートスコア(CES)は、顧客がサービス利用時に感じる手間や負担を把握するための指標です。特に活用されやすい3つの場面を紹介します。
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それぞれのシーンについて解説します。
カスタマーサポートへの問い合わせ
カスタマーサポートは、CESを計測する代表的な場面の一つです。顧客が問題を解決するまでにどれだけ手間を感じたかを測定することで、サポート体験の質を把握できます。
例えば、問い合わせ窓口が見つけにくい、電話がつながりにくい、同じ説明を何度も求められるといった状況は、顧客の負担を大きくします。
問い合わせ対応後に「問題解決までどれくらい簡単でしたか」といった質問でCESを測定することで、サポート体制の課題を明確にできるでしょう。
その結果をもとに、FAQの改善や問い合わせ導線の見直し、チャットサポートの導入などの施策につなげることで、顧客の手間を減らし、サポート体験の向上を図ることが可能です。
ECサイトにおける商品購入手続き
ECサイトでは、商品検索から購入完了までのプロセスにおいて、顧客が感じる負担を把握するためにCESが活用されます。
商品を探しにくい、購入手続きが複雑、入力項目が多いといった問題があると、顧客は途中で購入をやめてしまう可能性があります。購入完了後にCESを測定することで、どの段階でユーザーがストレスを感じているのかを把握できるでしょう。
例えば、決済方法の追加や入力フォームの簡略化、配送情報のわかりやすい表示などの改善につなげることが可能です。こうした改善により、購入体験をスムーズにし、コンバージョン率の改善や顧客満足度の向上が期待できます。
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新商品・サービスの提供開始時
新商品や新サービスを提供する際にも、CESは重要な指標として活用されます。新しいサービスは操作方法や利用手順がわかりにくい場合があり、顧客が利用を始めるまでに手間を感じることもあるでしょう。
導入初期の段階でCESを測定することで、ユーザーがどの部分でつまずいているのかを早期に把握できます。例えば、登録手続きの複雑さや、サービスの使い方がわかりにくいといった課題が挙げられます。
こうした問題を早い段階で改善することで、ユーザー体験を向上させ、サービスの定着率や継続利用率の向上につなげることができます。
カスタマーエフォートスコア(CES)が悪化してしまう要因

カスタマーエフォートスコア(CES)は、顧客が感じる手間やストレスが大きいほど悪化します。特に、CESが悪化しやすい4つの要因は以下の通りです。
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ここでは、上記4つの要因について解説します。
商品やサービスが使いづらい
CESを測定するタイミングは、すでに商品・サービスを購入して、実際に利用している段階になります。そのため、購入するのに時間や労力をかけたにも関わらず、使い方がいまいちわからないと、その商品やサービスに対して不満やストレスを抱えてしまうことになるでしょう。
商品やサービスが使いづらいことが負担と感じれば、アンケート調査でも「少し負担に感じた」「負担があった」「とても負担があった」の下位3区分の割合が上がってしまうはずです。
また、一つひとつの操作がわかりやすく、マニュアルが用意されていても、手順が多すぎると顧客の負担は大きくなります。シンプルで直感的に使える設計が重要です。
営業や広告に対する不快感
営業や広告に対して不快感を示す人が多いと、CESも悪化しやすくなります。例えば、自社の商品・サービスを売り込みたいからといって、顧客に対して何度もアプローチをかけたり、過度に広告を表示したりすると、顧客側は不快感を示す傾向にあります。
多くの企業も取り入れているダイレクトメールや営業電話などの販促方法も、やり方次第では逆効果になりかねません。適切な頻度とタイミングでのコミュニケーションが求められます。
カスタマーサポートやコールセンターへの問い合わせ方法がわかりにくい
カスタマーサポートやコールセンターへの問い合わせ方法がわかりにくい場合、顧客は問題解決までに大きな手間を感じてしまいます。
例えば、問い合わせページの場所が見つけにくい、電話番号や受付時間が分かりづらい、問い合わせフォームの入力項目が多すぎるといった状況は、顧客の負担を増やす原因になります。
また、問い合わせ手段が電話しかない場合、待ち時間の長さや営業時間の制限によってストレスを感じることもあるでしょう。このような状況では、顧客は問題を解決する前にサービス利用を諦めてしまう可能性もあります。
FAQの充実やチャットサポートの導入、問い合わせ導線の整理などを行い、顧客がスムーズにサポートへアクセスできる環境を整えることが重要です。
サポート対応の遅延や不十分な対応
CESはサポート対応の遅延や不十分な対応によっても悪化しやすいです。例えば、営業時間内にもかかわらず電話がつながらない場合や、回答までに時間がかかる場合、顧客は強い不満を感じやすくなります。
また、オペレーターが早口で聞き取りにくい場合や、対応にばらつきがある場合も、顧客体験の低下につながります。対応件数が多い現場では起こりやすい課題ですが、こうした小さなストレスの積み重ねが、CESの悪化を招く要因となります。
こうした課題を防ぐためには、応対品質の標準化やナレッジの整備、適切な人員配置を行い、顧客がストレスなく問題を解決できる体制を整えることが重要です。
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カスタマーエフォートスコア(CES)を改善する方法

悪化したCESを改善するには、まずは原因を突き止めて適切な改善方法を取り入れる必要があります。具体的な改善方法として挙げられるのは、以下の4点です。
それぞれの方法について、詳しく解説していきます。
シンプルでわかりやすいサービスの提供
商品やサービス自体がわかりづらく、使いにくい場合、CESの改善は難しくなります。そのため、商品・サービスを開発する際には「シンプルでわかりやすい設計」を意識することが大切です。
また、操作が多く顧客の負担になっている場合は、操作手順をすべて洗い出し、手順を短縮できないかを見直す必要があります。
例えば、ECサイトで商品をかごに追加し、購入手続きを行う際に氏名や住所などを毎回入力するのは大きな負担です。そのため、アカウント登録してもらうことで2回目以降の情報入力の手間を省くことができれば、CESの改善にもつながります。
オペレーターの教育とサポートプロセスの改善
顧客の負担を軽減させる上で、オペレーターの応対品質は重要な要素です。オペレーターが丁寧に応対しないと問題解決につながらず、顧客は何度も問い合わせをすることになってしまいます。オペレーターの応対を改善させるためには、教育の見直しが必要です。
例えば、通話録音をもとに応対内容を振り返ることで、改善点を具体的に把握できます。他のスタッフへの通話記録の共有に抵抗がある場合は、個別のフィードバックセッションを取り入れるのも有効です。
また、オペレーターの教育だけでなく、サポートプロセス自体も見直しも欠かせません。例えば、カスタマーサポートツールを導入して顧客とのやり取りを円滑にし、迅速な対応を可能にするといった施策が有効です。
サポートツールの導入によって業務が効率化するだけでなく、サポートの質も向上しCESの改善につながります。
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よくある質問(FAQ)を充実させる
CESを改善するためには、よくある質問(FAQ)の内容を充実させることが重要です。
顧客が自分で疑問を解決できる環境が整っていれば、問い合わせの手間が減り、サービス利用時の負担を軽減できます。特に、問い合わせが多い質問やトラブル事例は優先的にFAQへ掲載すると効果的です。
また、質問の探しやすさも重要なポイントです。カテゴリ分けや検索機能を整備し、ユーザーが必要な情報に素早くたどり着ける構成にすると、自己解決率が高まります。
さらに、回答は結論から提示し、必要に応じて補足説明や手順を追加することで理解しやすくなります。FAQの改善を継続的に行うことで、問い合わせ件数の削減や顧客体験の向上につながり、CESの改善にも大きく貢献するでしょう。
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問い合わせ方法やサポート体制を見直す
問い合わせ方法やサポート体制の見直しも、CESを改善するうえで重要な施策です。問い合わせ窓口が見つけにくい、連絡手段が限られている、受付時間が分かりにくいといった状況では、顧客は問題を解決するまでに大きな手間を感じます。
まずは、問い合わせページへの導線を整理し、電話・メール・チャットなど複数の連絡手段を分かりやすく提示することが大切です。
さらに、待ち時間の短縮や対応スピードの向上も重要なポイントです。チャットサポートやAIチャットボットを活用すれば、簡単な質問は即時回答が可能になり、オペレーターの負担軽減にもつながります。
顧客が迷わずサポートへアクセスできる環境を整えることで、問題解決までの手間が減り、CESの改善が期待できます。
CESと混同しやすい指標との違い(NPS・CSAT)
CESは顧客体験を測る指標の1つですが、実務ではNPSやCSATとあわせて語られることが多く、違いが分かりにくいと感じる方もいるでしょう。
それぞれ評価する観点は異なるため、目的に応じて使い分けが必要です。最後に、CESと混同しやすいNPS・CSATとの違いを整理して確認します。
CESとNPSの違い
CESと似た言葉として「NPS」があります。NPSとはネット・プロモーター・スコアの略称で、顧客が企業・ブランドに対して抱いている信頼度やロイヤリティの程度を示す指標です。2003年に初めて発表され、AppleやGEなどの大手企業が有効性を証明したことから、世界中に拡大していきました。
「顧客が費やした労力や手間」を測るCESに対し、NPSは「顧客からの愛着や推奨意向」を測るものです。いずれも事業を評価する際の重要な指標となりますが、反対の性質を持っていると認識しておきましょう。
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CESとCSATの違い
CSAT(カスタマー・サティスファクション)は、顧客満足度を示す指標です。自社の商品やサービスを利用した人に調査を実施し、どの程度満足したかを計測します。
CSATの計測によって新規顧客の獲得につなげるための具体的な改善指針を設けられたり、集客コストの削減や収益の向上といった戦略立案にも役立てることができます。
CSATが利用後の満足度を測るのに対し、CESは利用中の体験における負担に着目している点が大きな違いです。つまり、CESは顧客が商品やサービスに対して満足したかを図る指標ではなく、「どこにストレスがあったのか」といったネガティブな要因を把握する際に適した指標といえます。
CES改善ならAI-FAQシステム「Helpfeel」がおすすめ

CES改善において重要なのは、顧客が「問い合わせる前に自己解決できる環境」を整えることです。
実際、顧客が負担を感じるポイントの多くは、「必要な情報にたどり着けない」「問い合わせしないと解決できない」「何度も同じ説明をしなければならない」といった情報設計の不備にあります。
こうした課題を解決する手段として有効なのが、検索性の高いFAQシステムの導入です。
Helpfeelは検索型のFAQシステムで、AIと特許技術の活用により、顧客のさまざまな表現にも対応できます。また、Helpfeelは問い合わせフォームにも埋め込むことが可能です。
ユーザーは問い合わせを送信する前に答えにたどり着けるため、お問い合わせ数の削減とユーザー体験の向上にもつながります。
さらに、FAQの利用状況を分析するレポート機能も備わっているため、実際にユーザーがどのような点で困っているのかを把握しやすくなります。その結果、FAQコンテンツの改善が進み、CES改善や顧客満足度の向上にも貢献するでしょう。
CESを改善させるためにFAQページを充実させたい、FAQシステムを活用したいとお考えの方は、ぜひHelpfeelの導入を検討してみてください。
まとめ:カスタマーエフォートスコア(CES)を改善し顧客満足度の向上を図ろう!

今回は、CESとは何か、計測方法や改善方法についてご紹介してきました。CESは、顧客が商品やサービスを利用するためにどれだけの手間や労力をかけたのかを示すための指標です。CESの改善によって顧客満足度やリテンション率、顧客ロイヤルティの向上が図れます。
CESの改善にはシンプルでわかりやすいサービスの提供や、オペレーターの教育なども必要ですが、FAQの充実やチャットボットの導入を進めることで、より効率的にCES改善につなげられます。顧客満足度の向上や安定した利益を生み出すためにも、CESの改善を図りましょう。

