LTV(顧客生涯価値)の計算方法は?ケース別の計算式や関連指標を解説

この記事でわかること
  • LTVの概要と特徴、LTVを把握するメリット
  • LTVが注目される理由
  • 一般的なLTVの計算式と関連指標
  • LTVを向上させるためのポイントと役立つツール
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LTV(顧客生涯価値)は、収益の安定化や顧客との継続的な関係構築、マーケティング活動の効率化に欠かせない指標です。

サブスクリプションサービスが普及した近年、LTVの注目度はさらに高まっています。適切な施策でLTVを最大化すれば、企業成長の加速につながるでしょう。

本記事では、LTVの概要や注目される理由、一般的な計算式、関連指標に加え、LTVを高めるためのポイントを解説します。LTVについて理解を深めたい方は、ぜひ参考にしてください。

目次

LTV (顧客生涯価値)とは?

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LTV(ライフタイムバリュー)とは「顧客生涯価値」を意味し、顧客が生涯にわたって企業にもたらす利益を表した指標です。特にサブスクリプション型ビジネスでは、成長戦略の中核として重視されています。

LTVは、継続的な顧客との関係によって生じる利益を測定できる点が特徴です。長期にわたって商品やサービスを利用し、上位プランへのアップグレードが見込める顧客は「LTVが高い顧客」といえます。LTVを把握することで得られる主なメリットは、以下の通りです。

  • 顧客獲得コストの適切な上限を設定ができる
  • 高い収益性を持つ優良顧客の傾向を把握できる
  • マーケティング施策の費用対効果を可視化できる

LTVを認識することで、マーケティング施策や顧客の現状を把握し、長期的な成長を叶えるための戦略を立案しやすくなります。

LTVが注目される理由

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LTVが注目される3つの理由は、以下の通りです。

  • 理由①:新規顧客獲得のハードルが高まっている
  • 理由②:One to Oneマーケティングが求められている
  • 理由③:サブスクリプションサービスが普及している

それぞれの理由を詳しく解説します。

新規顧客獲得のハードルが高まっている

LTVが注目される理由の1つが、市場の競争激化に伴う新規顧客獲得コストの上昇です。一般的に、既存顧客の維持と比べて新規顧客の獲得は約5倍のコストがかかるといわれています。

また、少子高齢化による人口減少で新規顧客獲得のハードルはさらに高まる可能性があるでしょう。こうした背景から、既存顧客との関係を強化して収益を最大化するLTVが重視されるようになりました。

特に、サブスクリプションサービスやEC業界では、新規顧客獲得に膨大なコストをかけるより、一度獲得した顧客に継続利用やリピート購入を促す方が継続的な利益につながります。そのため、LTVを取り入れたマーケティング戦略は、将来的な収益の向上を目指す企業にとって必要不可欠なものです。

One to Oneマーケティングが求められている

One to Oneマーケティングとは、一人ひとりの顧客からニーズを汲み取り、個人ごとに最適化したコミュニケーションを取るマーケティング施策のことです。個人の需要を適切に把握することで、顧客との継続的な関係構築が可能になります。

近年、顧客の消費行動は能動的・選択的な傾向があるといわれています。競合他社ではなく自社を選んでもらうためには、「自社にしかない特別な体験の提供」が欠かせません。

個人に合わせたマーケティング施策によって顧客のニーズに応えれば、満足度が向上し、長期取引につなげられます。このように、One to Oneマーケティングの実践においても、LTVは重要な評価指標の一つです。

サブスクリプションサービスが普及している

サブスクリプションサービスとは、毎月定額で商品やサービスの利用権を購入できるビジネスモデルのことを指します。商品自体を購入するのではなく、利用権のみを購入するのが特徴です。

継続的に利益を得られるメリットがある一方、競合他社への乗り換えや解約のリスクも否定できません。サービスを継続利用してもらうには、顧客満足度を高めるための施策が不可欠です。

LTVは、顧客が企業にもたらす価値を定量的に測定するため、顧客満足度や顧客の不満度を図るために役立ちます。そのため、サブスクリプションサービスが普及した現代において、LTVがさらに注目されるようになったと考えられるでしょう。

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LTVの基本的な計算方法

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ここでは、LTVの基本的な計算方法を3つ紹介します。

  • 一般的なLTVの計算式
  • コスト・利益を反映したLTV計算式
  • Saas/サブスクリプションサービスのLTV計算式

それぞれの具体的な計算式を詳しく確認しましょう。

一般的なLTVの計算式

いくつかの方法があるなかでも、一般的なLTVの計算式は以下の通りです。

【計算式】

  • 平均単価×収益率×購買頻度×継続期間=LTV


例えば、下記のケースを考えてみましょう。

  • 1注文あたりの平均単価:8,000円
  • 収益率:45%
  • 購買頻度:5回/年
  • 継続期間:10年

この場合、計算式は以下の通りです。

8,000円×45%×5回×10年=18万円

計算の結果、顧客1人を獲得してから得られる生涯利益は18万円と予測できます。こうした計算式をベースに、顧客から得る利益を予測し、マーケティング施策や商品開発にかける投資額を検討するのが基本的な方法です。

コスト・利益を反映したLTV計算式

先述した計算式は、既存顧客維持と新規顧客獲得のコストを考慮していません。ここでは、コストを踏まえてLTVを算出する計算式を紹介します。

【計算式】

  • (顧客の平均単価×収益率×購買頻度×継続期間)-(既存顧客維持コスト+新規顧客獲得コスト)=LTV


具体的な計算方法は、以下の通りです。

【具体例】

  • 1注文あたりの平均単価:8,000円
  • 収益率:45%
  • 購買頻度:5回/年
  • 継続期間:10年
  • 既存顧客の維持コスト:3,000円
  • 新規顧客の獲得コスト:8,000円

8,000円×45%×5回×10年-(3,000円+8,000円)=16万9,000円

次に、1社あたりの利益を算出する計算式を紹介します。

【計算式】

  • 年間取引額×収益率×継続年数=LTV


具体的な計算方法は以下の通りです。

【具体例】

  • 年間取引額:40万円
  • 収益率:45%
  • 継続年数:10年

40万円×45%×10年=180万円

最適な計算式は、ビジネスモデルによって異なります。自社の目的に合わせて、適切な計算式を使用しましょう。

Saas/サブスクリプションサービスのLTV計算式

SaaS/サブスクリプションサービスは、顧客が解約すると利益を得られなくなるため、チャーンレート(解約率)を踏まえて計算する必要があります。計算式は、以下の通りです。

【計算式】

  • 平均単価×粗利÷チャーンレート=LTV


具体的な計算方法は以下の通りです。

【具体例】

  • 顧客の平均単価:4,000円
  • 粗利:50%
  • チャーンレート:10%

4,000円×50%÷10%=2万円

なお、チャーンレートの計算式は以下の通りです。

【計算式】

  • 月間の解約数÷月間の顧客全体数=チャーンレート

チャーンレートをできる限り下げることで、継続的な利益獲得と事業の安定を実現できるでしょう。

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LTVの関連指標

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LTVを正しく理解・改善するためには、関連指標の把握も欠かせません。代表的な関連指標は、次の4つです。

  1. ARPU・ARPA
  2. CAC(顧客獲得単価)
  3. ユニットエコノミクス
  4. MQL・SQL

それぞれの具体的な内容を紹介します。

ARPU・ARPA

ARPU(Average Revenue Per User)とARPA(Average Revenue Per Account)は、LTVに大きな影響を与える主要指標です。

  • ARPU
1ユーザーあたりの平均収益。個々の売上貢献度を測定するのに役立つ
  • ARPA
アカウント単位(たとえば企業単位)での平均収益

一般的にARPUはBtoC、ARPAはBtoBで使われますが、BtoBでもARPUの呼称が用いられる場合があります。

サブスクリプションビジネスでは、ARPUやARPAの向上がLTVを直接押し上げ、長期的な収益向上につながります。これらの指標を継続的にモニタリングし、改善することが重要です。

ユニットエコノミクス

ユニットエコノミクスとは、顧客1人あたりの採算性を表す指標です。主にSaaSやサブスクリプションサービスで使われており、効率的に顧客を獲得できているか確認するために役立ちます。ユニットエコノミクスを算出する計算式は、以下の通りです。

【計算式】

  • LTV÷ CAC=ユニットエコノミクス

LTVとCACからユニットエコノミスを求めることで、顧客獲得コストをどの期間で回収し、利益を得られるかを予測できます。一般的に、LTVがCACの3倍以上であればユニットエコノミクスは健全とされます。

また、LTVとCACの比率を把握することで、将来的な成長性やキャッシュフローの健全性を確認できます。

MQL・SQL

MQL(Marketing Qualified Lead)とSQL(Sales Qualified Lead)は、見込み顧客の質を判断するための重要な概念です。

  • MQL
マーケティング活動で獲得した見込み顧客のうち、購買意欲が高い客
  • SQL
受注確度が高く、営業部門が対応すべきと判断しされた見込み客

数値化した購買意欲のスコアが一定の数値に達した後、MQLは営業部門に引き渡されます。営業部門が顧客のニーズや購入予定時期、予算などを確認して案件化したものがSQLです。

LTVを向上させるためには、新規顧客を増やすだけでなく「継続利用してくれる」「リピートしやすい」など、長期的な利益をもたらす顧客を得ることが重要です。MQLとSQLを明確にし、理想の顧客像に近い見込み客を取り込むことでLTVの向上が期待できます。

チャーンレート・リテンションレート

チャーンレートは「解約率」、リテンションレートは「継続率」を指し、主にサブスクリプションサービスで重視される指標です。LTVを向上させるには、チャーンレートを抑え、リテンションレートを高める施策が欠かせません。

例えば、コールセンターの対応品質が向上し、顧客が抱える問題をスムーズに解決できるようになれば満足度が上がり、チャーンレートとリテンションレートの改善につながるでしょう。また、売上貢献が高く、企業への信頼が厚い「ロイヤルカスタマー」にアプローチする方法もあります。

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LTVを向上させるポイント

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LTVを向上させる4つのポイントは、以下の通りです。

  • Point①:顧客単価を向上させる
  • Point②:購入頻度を増やす
  • Point③:継続期間を延ばす
  • Point④:顧客ロイヤルティを高める

それぞれのポイントを確認し、LTVの向上に役立ててください。

顧客単価を向上させる

顧客単価を向上させるためには、アップセルやクロスセルの活用が効果的です。アップセルでは、現在利用している商品やサービスの上位モデルを提案し、顧客の満足度を高めながら単価を上げます。

クロスセルは、関連する商品を追加提案する手法です。例えば、ハンバーガーを注文する顧客にドリンクやフライドポテトなどを勧めるケースが当てはまります。このように商品を組み合わせて提案することで、顧客1人あたりの購入金額を増やせるでしょう。

購買頻度を増やす

顧客の購買頻度を高めるには、メルマガやリピート限定割引などを活用したリピート促進が効果的です。定期的にメルマガを送ることで顧客と継続的な接触を保ち、特典やキャンペーン情報を提供することで購買意欲を喚起します。

また、リピート割などによって再購入を促し、特別価格を提供することで顧客が繰り返し購入する動機付けを強化し、LTV向上に寄与します。

継続期間を延ばす

LTVを高めるには、顧客の継続期間を延ばし、長期的に利益を得られる状態を作ることが大切です。特に、契約期間終了のタイミングは解約が起こりやすいため、「継続することで利益を得られる」と感じてもらえる施策を取り入れましょう。

継続期間を延ばすための主な施策は、以下の通りです。

  • 契約終了のタイミングで継続特典を付与する
  • 更新回数や継続年数に応じた特典を付与する
  • 契約終了直前にワンランク上のステップに進める商品やサービスを勧める
  • メールマガジンなどで有益な情報を発信する
  • カスタマーサポートの対応品質を向上させる

解約が発生した場合は、アンケートで理由や不満点を把握しましょう。結果を分析して改善施策に反映すれば、再契約や口コミ促進にもつながります。

顧客ロイヤルティを高める

顧客ロイヤルティとは、商品やサービスに対して強い愛着や信頼を持つ状態を指します。ロイヤルティの高い顧客は、競合他社への乗り換えリスクが低く、同一の商品やサービスを使い続ける傾向があります。また、自ら口コミを拡散し、新規顧客を獲得するケースも少なくありません。

顧客ロイヤルティを高めるための主な施策は、以下の通りです。

施策

具体例

  • ロイヤルティプログラム

限定特典やポイント付与、ステータス付与による顧客優遇

  • 習慣化プロモーション

「毎朝スムージーを飲もう」など日常習慣に商品やサービスを組み込む

  • パーソナライズ
    コミュニケーション

購買・閲覧データに基づいた商品やサービスの提案

自社に適した方法を取り入れて、顧客ロイヤルティの向上を目指してください。

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LTVを高めるにはFAQの活用やMA・CRMの導入が有効

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ここでは、LTVを高めるためにおすすめの方法を3つ紹介します。

  • 方法①:FAQの活用
  • 方法②:MAツールの導入
  • 方法③:CRMツールの導入

それぞれの具体的な内容を確認し、LTVの向上に活用してください。

FAQの活用

FAQとは「よくある質問と回答」をまとめたWebコンテンツです。カスタマーセンターしか疑問を解決できる方法がない場合、オペレーターが応答するまで待たされたり、解決に時間がかかったりすると顧客にストレスを与えることになります。WebサイトにFAQを設置し、疑問を感じたときにすぐ確認できる環境を作れば、LTVの向上につながるでしょう。

また、FAQは、顧客のニーズを汲み取る際にも活用できます。解析ツールを使ってアクセス数が多いFAQを分析し、顧客が抱えている課題や疑問を把握するのがポイントです。

分析結果から、顧客がつまずきやすい点や頻繁に使う機能を洗い出し、商品やサービスを改善することでLTVを高められます。

本記事に関連したお役立ち資料もご用意しています。ぜひ併せてご覧ください。

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MAツールの導入

MAツールとは、顧客の購入履歴やWebサイトの閲覧履歴、行動データなどを蓄積・管理できるマーケティング支援ツールです。見込み顧客の育成や新規顧客の獲得など、さまざまなマーケティング施策の策定に役立ちます。

ツールで集めた情報を基に、顧客のニーズに合わせたコミュニケーションを自動化することで、満足度の向上を期待できるでしょう。MAツールの活用事例は、以下の通りです。

  • メールの自動化:
    セミナー参加や資料ダウンロードなどの行動を起点に自動でメールを送信

  • サイト最適化:
    閲覧履歴に基づくレコメンド表示

  • ホットリード抽出:
    特定の条件を満たす見込み顧客を営業に連携

自社の目的に合わせて、MAツールを有効活用しましょう。

CRMツールの導入

CRMツールとは、購入履歴や問い合わせ内容などの顧客情報を一元管理できるツールです。ツールの情報を活用することで顧客への理解が深まり、一人ひとりのニーズにマッチしたマーケティング施策を取り入れられるようになります。

CRMの活用事例は、以下の通りです。

  • サポートの最適化:
    過去の問い合わせ履歴に基づく対応品質の改善

  • セグメント別の施策:
    既存顧客への限定特典、休眠顧客への再購入割引クーポンの配布

  • パーソナライズ配信:
    購買履歴に合わせたクーポン配布、おすすめ商品の提案

LTVを高めるには、顧客ロイヤルティの向上が欠かせません。CRMツールは、その基盤を支える重要なシステムです。

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